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`115.,
`
`IPR2016-01382 - Ex. 1016
`
`Toyota Motor Corp., Petitioner
`1
`
`

`
`1
`
`【特許請求の範囲】
`【請求項1】 座席の着座部に設置される複数の荷重検
`知部と、この複数の荷重検知部のそれぞれにおける検知
`出力に基づいて座席に人が着座したか否かを判別する判
`別部とが設けられていることを特徴とする座席用検知装
`置。
`【請求項2】 座席の着座部に重ねて敷設される2枚の
`可撓性シートと、それぞれの可撓性シートの対向面に設
`けられた複数本の可撓性の導電体と、対向する導電体の
`対面部の間隔を保つスペーサとが設けられて、前記導電
`体どうしのマトリックス状の対面部により複数の荷重検
`知部が形成されている請求項1記載の座席用検知装置。
`【発明の詳細な説明】
`【0001】
`【産業上の利用分野】本発明は例えば自動車などの座席
`に人が着座したか否かを検知する座席用検知装置に係
`り、特に複数の検知部の検知出力により着座部に作用し
`た荷重が人であるか否かの判別ができるようにした座席
`用検知装置に関する。
`【0002】
`【従来の技術】座席に人が座ったか否かの検出は種々の
`制御動作に利用できる。例えば自動車のそれぞれの座席
`のどこに人が座っているかを検出することにより、カー
`オーディオのスピーカのバランスやエアーコンデショナ
`ーの送風方向の制御を行うことができる。
`【0003】
`【発明が解決しようとする課題】しかしながら、座席の
`着座部に圧力センサなどを配置しただけでは、人が着席
`したのか、人以外の例えば荷物などが置かれたかの判別
`を容易に行うことができない問題が生じる。
`【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもので
`あり、座席の着座部に作用した荷重の分布などにより、
`その荷重が人によるものかそれ以外のものによるものか
`を判別できるようにした座席用検知装置を提供すること
`を目的とするものである。
`【0005】
`【課題を解決するための手段】本発明による座席用検知
`装置は、座席の着座部に設置される複数の荷重検知部
`と、この複数の荷重検知部のそれぞれにおける検知出力
`に基づいて座席に人が着座したか否かを判別する判別部
`とが設けられていることを特徴とするものである。
`【0006】また上記手段において、座席の着座部に重
`ねて敷設される2枚の可撓性シートと、それぞれの可撓
`性シートの対向面に設けられた複数本の可撓性の導電体
`と、対向する導電体の対面部の間隔を保つスペーサとが
`設けられて、前記導電体どうしのマトリックス状の対面
`部により複数の荷重検知部が形成されているものであ
`る。
`【0007】
`【作用】上記手段では、座席の着座部に設置された荷重
`
`(2)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平5−66166
`2
`検知部により荷重を検知したときに、荷重を検知した検
`知部の位置の組み合わせなどにより、荷重が人によるも
`のかあるいは人以外のものによるものかが検知される。
`【0008】また複数の荷重検知部の構造として、2枚
`の可撓性シートと、この可撓性シートとの間にてマトリ
`ックス状に形成された導電体を使用することにより、人
`が座ったときに違和感のない荷重検知部を構成できるよ
`うになる。
`【0009】
`【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
`る。図1は自動車の座席を示す斜視図、図2はこの自動
`車の座席の着座部に設置された荷重検知部の配置を示す
`平面図、図3は荷重検知部を構成する可撓性シートおよ
`び導電体の分解斜視図、図4はその一部拡大図、図5は
`荷重検知部の拡大断面図である。図1に示す自動車の座
`席1の着座部1aには本発明の特徴となる検知装置の検
`知部Aが設置されている。この検知部Aは座席の内部で
`且つ座席の表面シートの内側に設置されている。また座
`席1の背もたれ部1bには荷重検知装置Bが設けられて
`いる。この荷重検知装置Bは、背もたれ部の内部にて表
`面シートの内側に設置されている。さらに自動車の床面
`には人の足の荷重を検知する荷重検知装置Cが設置され
`ている。
`【0010】図3に示すように、本発明による検知装置
`の検知部Aは、2枚重ねられたゴムなどの絶縁材料の可
`撓性シート10と11とが重ねられて構成されている。
`下側の可撓性シート10の上面には複数本の帯状の導電
`体12が設けられ、上側の可撓性シート11の下面にも
`複数本の帯状の導電体13が設けられ、両可撓性シート
`10と11が重ねられた状態で、図2に示すように、導
`電体12と13の重ね合わせ部によりS1ないしS9で
`示すマトリックス構成の荷重検知部が形成されている。
`【0011】検知部Aの構造をさらに詳しく説明する
`と、図4に示すように、可撓性シート10の上面には複
`数本の溝10aが形成され、前記導電体12はこの溝1
`0aの内部に埋設された状態で接着固定されている。こ
`の導電体は、例えばシリコンゴムの内部にカーボン微粒
`子が混在した導電性ゴムにより構成されている。この下
`側の導電体12の表面にはシリコンインクなどの非導電
`性材料によるスペーサパターン14が形成されている。
`このスペーサパターン14は、導電体12の表面の両縁
`部を覆う縁パターン14aと、この縁パターン14aの
`間にて細かな格子状に形成された格子パターン14bと
`から構成されている。
`【0012】また図3に示すように、上側の可撓性シー
`ト11の下面にも複数本の溝11aが形成されて、前記
`導電体13はこの溝11a内に埋設されて接着固定され
`ている。この導電体13も導電体12と同じ導電性ゴム
`により構成されている。そして図4に示すように、この
`導電体13の下面の対向面(図4では対向面を上向きに
`
`(cid:21)
`
`

`
`3
`して示している)の両縁部には、シリコンインクなどの
`非導電性材料によるスペーサパターン15が形成されて
`いる。両縁のスペーサパターン15の中間には導電体1
`3が露出している。
`【0013】図3に示すように、可撓性シート10と可
`撓性シート11とが重ねられた状態では、両導電体12
`と13とがマトリックス状に対向する。この導電体どう
`しの対向部すなわち前記荷重検知部S1ないしS9の構
`造は図5の断面図に示すように、両導電体12と13が
`前記スペーサパターン14の格子パターン14bを介し
`て対面する状態となる。いま図5において矢印で示すよ
`うに、上側の可撓性シート11を介してS1ないしS9
`で示す荷重検知部において導電体13に上方から圧力が
`与えられると、導電体13の下面と導電体12の上面と
`が格子パターン14bの隙間(イ)部を介して互いに接
`触する。このときに格子パターン14bの隙間(イ)部
`において導電体12と13とが接触する接触面積は、作
`用する圧力の大きさに影響され、圧力が大きいと各荷重
`検知部S1ないしS9において導電体12と13とが接
`触する面積が増大する。逆に圧力が小さいと接触面積は
`減少する。よって導電体12と13に所定の電圧を与え
`ると、導電体12と13との接触面積の大小に応じた電
`流が両導電体12と13の間に流れることになる。すな
`わち荷重が作用していないときには、各荷重検知部S1
`ないしS9において導電体12と13の間に電流が流れ
`ず、荷重が作用したときには、その荷重の大きさに応じ
`て、導電体12と13との間に流れる電流が変化するこ
`とになる。
`【0014】さらに導電体12の上面の両縁部には縁パ
`ターン14aが、導電体13の下面の両縁にはスペーサ
`パターン15が形成されているが、この縁パターン14
`aとスペーサパターン15をそれぞれ設けることによ
`り、前記圧力の変化による電流値の増減を正確に検知で
`きるようになる。すなわち、帯状の導電体12と13と
`が格子パターン14bを介して対面した状態で両者に圧
`力を与えると、導電体12と13の縁部が圧力によりだ
`れを生じて、この縁部を介して導電体12と13どうし
`が優先して接触してしまう。この縁部どうしの接触面積
`は比較的大きいため、この縁部に非導電性のパターンが
`無い場合には、縁部間に比較的大きな電流が流れる。こ
`の縁部どうしの間を流れる電流の存在により、格子パタ
`ーン14bの隙間(イ)部を介して導電体12と13と
`が接触する面積の変化による電流値を正確に取出すこと
`ができなくなる。よって導電体12と13のそれぞれの
`縁部に非導電性のパターンを設けることにより、圧力の
`変化に応じた電流値を正確に検出できるようになる。
`【0015】また図3に示すように、可撓性シート10
`と11には互いに同じ位置となる取付穴10bと11b
`が形成され、この取付穴10bと11bとにより、各可
`撓性シート10と11が、座席1の着座部1aの表面シ
`
`(3)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平5−66166
`4
`ートの内側に取り付けられる。図1に示すように自動車
`の座席1の着座部1aには止め釦2が取り付けられて、
`この部分が窪んだ形状となっている場合がある。前記可
`撓性シート10と11の取付穴10bと11bをこの止
`め釦2にて固定することも可能である。取付穴10bな
`らびに11bを止め釦2により固定した場合、この固定
`部を導電体12と13との対面部すなわちマトリックス
`状の荷重検知部S1ないしS9からある程度離しておく
`ことにより、止め釦2による固定力が、可撓性シート1
`0,11ならびに導電体12,13のそれぞれの可撓性
`により吸収できることになる。よって、この止め釦2の
`固定力により、各荷重検知部S1ないしS9に圧力が作
`用することがなく、導電体12と13との対向部による
`検知動作にほとんど影響は生じない。
`【0016】図6は上記検知部Aに接続される回路構成
`の一例を示している。各導電体12と13のそれぞれ
`は、マトリックススイッチ21の入力部12aと13a
`にそれぞれ接続される。マトリックススイッチ21はマ
`ルチプレクサ24の制御により切換えられ、この制御に
`より各導電体12の入力部12aと導電体13の入力部
`13aが順番に切換えられ、各荷重検知部S1ないしS
`9が順番に検知状態となる。マトリックススイッチ21
`からの出力部には電源25が設けられ、マトリックスス
`イッチ21により順番に切換えられる荷重検知部S1な
`いしS9ごとに導電体12と13との間に電流が流れる
`か否かの検出およびその電流値の検出が行われる。この
`検出出力は、A/D変換部22によりディジタル信号に
`変換され、マイクロコンピュータ23により処理され
`る。
`【0017】上記のマイクロコンピュータ23では、各
`荷重検知部S1ないしS9に電流が流れたか否かのON
`−OFFの判断および各荷重検知部S1ないしS9での
`検出電流値により、座席1の着座部1aに作用した荷重
`が人によるものか、あるいは人以外のものによるものか
`の判別が行われる。
`【0018】図7はその判別動作の一例を示している。
`まずステップ(a)では、図2に示す9ヵ所の荷重検知
`部S1ないしS9が全てOFF(導電体12と13の間
`に電流が流れていない状態)であるか否かを判断し、全
`てがOFFであれば着座部1aに荷重が作用していない
`と判断し、全てがOFFでなければすなわち荷重検知部
`S1ないしS9のいずれかがONであれば、着座部1a
`に荷重が作用したと判断し、次のステップ(b)以下に
`移行する。
`【0019】ステップ(b)では、荷重検知部S1ない
`しS9のうちの4点以上がONとなっているかの判断を
`行う。荷重検知部S1ないしS9のうちのONとなって
`いるのが3ヵ所未満であれば、人以外のものによる荷重
`であると判断する。
`【0020】ステップ(c)では、荷重検知部のうちS
`
`(cid:22)
`
`

`
`5
`1,S5,S8が全てOFFであるか否かを判断する。
`着座部1aに人が座った場合、S1,S5,S8の中央
`の一列が全てOFFとなることはない。よってS1,S
`5,S8が全てOFFの場合には、人以外のものによる
`荷重であると判断する。同様にステップ(d)では、中
`央の横一列の荷重検知部S4,S5,S6が全てOFF
`の場合には人以外のものの荷重であると判断する。
`【0021】次にステップ(e)では、9ヵ所の荷重検
`知部S1ないしS9のそれぞれにおいて導電体12と1
`3との間に流れる電流値の総和が所定値以下であるか否
`かを判断する。全ての荷重検知部S1ないしS9におい
`て流れる電流の総和が所定値(例えば2mA)以上であ
`れば、着座部1aに作用した荷重が人以外のものによる
`と判断する。
`【0022】ステップ(f)では、荷重検知部S1ない
`しS9のうちのいずれかにおいて検知された電流値が、
`各検知部S1ないしS9の全てにおいて検知された電流
`値の総和の40%以上であるか否かを判断する。いずれ
`かの荷重検知部における検出電流値が検出された電流値
`の総和の40%以上の場合には、人以外のものによる荷
`重であると判断する。
`【0023】さらにステップ(g)では、荷重検知部S
`4とS6の検出電流値の和が、全ての荷重検知部S1な
`いしS9における検出電流値の総和の50%以上である
`か否かを判断する。人の場合には両端の荷重検知部S4
`とS9の検出電流値の和が検出電流値の総和の50%以
`上となることはない。よってS4とS9による検出電流
`の和が全体の50%以上である場合には人以外の荷重で
`あると判断する。
`【0024】そして上記ステップ(a)ないし(g)の
`全ての条件を満足した場合に、着座部1aにおける荷重
`が人が座ったためのものであると判断する。なお上記ス
`テップ(a)ないし(g)により人が座ったと一度判断
`された以降は、全ての荷重検知部S1ないしS9による
`検出電流値が全てゼロになるまでは、仮にステップ
`(b)ないし(g)の条件のうちのいずれかが欠けたと
`しても、人が検知された状態をホールドする。これによ
`り、一度人が着座部1aに座った後に体を極端に動かし
`たとしても、人が検知された状態が維持できるようにな
`る。
`【0025】さらに図1に示す座席1では、上記検知部
`Aのみならず、背もたれ部1bに荷重検知装置Bが、ま
`た床面には足の圧力を検知するための荷重検知装置Cが
`設けられている。前記検知部Aならびに図6に示した回
`路を有する荷重検知装置と上記各荷重検知装置BとCの
`いずれか一方あるいは両方を併用することにより、さら
`に信頼性の高い人の検知が可能である。
`【0026】上記荷重検知装置BとCは、例えば、2枚
`重ねられた可撓性シートとその対向面にそれぞれ設けら
`れた導電体と、両導電体の間に介在する非導電性のスペ
`
`(4)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平5−66166
`6
`ーサなどから構成され、荷重が作用していないときには
`両導電体の間に電流が流れず、また荷重が作用したとき
`には、その荷重の大小に応じて導電体間の電流値が増減
`できるようにしておく。すなわち前記検知部Aにおける
`各荷重検知部S1ないしS9の1ヵ所を拡大したような
`構造にしておく。
`【0027】例えば検知部Aと荷重検知装置Bを併用す
`れば、検知部Aに作用した荷重を図7に示したステップ
`により判断した後にさらに荷重検知装置Bに荷重が作用
`しているか否かを判断する。そして図7に示したステッ
`プにより着座部1aに人が座ったと判断されたときに、
`荷重検知装置Bが1回でも荷重を検知したら人が座った
`ものと判断すればよい。
`【0028】また検知部Aと荷重検知装置Cを併用した
`場合には、荷重検知装置Cに人が足を乗せ、その荷重を
`検知した一定時間後に着座部1aの検知部Aによる検知
`を開始し、図7のステップにより人であると判断された
`ときに、人が座ったものと判別すればよい。さらに、背
`もたれ部1bに設けられた荷重検知装置Bを使用した場
`合、背もたれ部1bを倒すと、荷重検知装置Bにより検
`知される荷重が増大し、検出電流値が増大するため、こ
`の増大により、座席の背もたれ部が倒されたか否かを判
`断できる。
`【0029】なお上記実施例では、図2に示すように、
`検知部AにS1ないしS9で示す9ヵ所の荷重検知部が
`形成されているが、この荷重検知部の数は9ヵ所に限ら
`れず、それ以上であってもよい。また複数の荷重検知部
`がマトリックス構成でなく、独立した圧力センサにより
`構成されていてもよい。さらに上記検知装置は、自動車
`の座席に限られず、劇場や待合室の座席、さらには家庭
`用の座席などに設置し、人の検知に利用することが可能
`である。
`【0030】
`【発明の効果】以上のように本発明によれば、座席の着
`座部に配置した複数の荷重検知部により、作用した荷重
`が人によるものかあるいは人以外のものによるかを正確
`に判別できるようになる。
`【図面の簡単な説明】
`【図1】本発明による検知装置を備えた自動車用の座席
`を示す斜視図、
`【図2】着座部に設置された複数の荷重検知部を示す平
`面図、
`【図3】検知装置の主要部の構造を示す分解斜視図、
`【図4】荷重検知部を構成する導電体の構造を示す拡大
`斜視図、
`【図5】荷重検知部の拡大断面図、
`【図6】検知装置の電気回路を示すブロック図、
`【図7】検知装置による検知動作を示すフローチャー
`ト、
`【符号の説明】
`
`(cid:23)
`
`

`
`7
`
`(M
`
`fifi$5—66166
`
`8
`
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