`
`出願 (1) ( 10-079371)(10.03.26) 記号 (7411290311) 出願種別(01 )新法
`公開
` ( )( ) 公開基準日 (10.03.26) 国内優先 (0)
`公告
` ( )( ) 優先 ( ) 他 国
`審判 ( )( )( ) 担当 ( )(
` )
`登録
` ( ) ( ) 異議 ( 0) 請求項数 ( 9) 出願料金( 21,000)
`公決
` (起 )(担 ) 文献 ( ) 新規性 (0) 菌寄託 (0) 公害 ( )
`査定 ( ) (起 )(担 ) 前置 ( ) 解除 ( )公序・要約(0)
` (発 )(官 ) 審査・評価請求( 0-2) 未請求(0) 自動起案( )
`最終
` (A11)(11.10.21)
`公開準備 (1) 早期審査 ( )
`変更先 (1)( 11-075519)(01 ) 審決 ( )( )
`
` 原出願( )( )( )種別( )
`期間延長 ( ) 最新起案日 ( )
`公表 ( ) ( ) 翻訳提出 ( )国際出願( )
`再公表 ( ) 国際公開 ( )
`
`公開IPC4 H01L 21/88 KFIC 指定分類IPC
`公告IPC
`名称
`配線構造体の形成方法
`出願人 代表( ) 種(2)コ-ド(000005821) 国(27) パナソニック株式会社 *
`大阪府門真市大字門真1006番地
`代理人 種(1)コ-ド(100077931) 前田 弘
`種(1)コ-ド( ) 小山 廣毅
`種(1)コ-ド(100107445) 小根田 一郎
`中間 (A63 )特許願 10.03.26( 21,000)完 (A96-1 )職権訂正10.04.01( )
`記録 (A84-1 )優先請求11.03.24( ) (A84-3 )優先請求11.07.21( )
` (A85-1 )交付請求12.11.21( ) (A86-1 )閲覧請求15.03.13( )
` (A86-1 )閲覧請求15.09.22( )
`新出願
`国内優先(先)
`国内優先(後) 1 11-075519(11.03.19) 1 2000-066163(12.03.10)
` 1 2000-066179(12.03.10)
`
`TSMC Exhibit 1013
`
`Page 1 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]特許願
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 1/ 2
`
`【書類名】
`
`特許願
`
`【整理番号】
`
`7411290311
`
`【提出日】
`
`【あて先】
`
`平成10年 3月26日
`
`特許庁長官 殿
`
`【国際特許分類】
`
`H01L 21/316
`
`【発明の名称】
`
`配線構造体の形成方法
`
`【請求項の数】
`
` 9
`
`【発明者】
`
`【住所又は居所】 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式
`
`会社内
`
`【氏名】
`
`青井 信雄
`
`【特許出願人】
`
`【識別番号】
`
`000005821
`
`【氏名又は名称】 松下電器産業株式会社
`
`【代理人】
`
`【識別番号】
`
`100077931
`
`【弁理士】
`
`【氏名又は名称】 前田 弘
`
`【選任した代理人】
`
`【識別番号】
`
`100094134
`
`【弁理士】
`
`【氏名又は名称】 小山 廣毅
`
`【選任した代理人】
`
`【識別番号】
`
`100107445
`
`【弁理士】
`
`【氏名又は名称】 小根田 一郎
`
`【手数料の表示】
`
`【予納台帳番号】 014409
`
`【納付金額】
`
` 21,000円
`
`Page 2 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]特許願
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 2/ 2
`
`【提出物件の目録】
`
`【物件名】
`
`明細書 1
`
`【物件名】
`
`図面 1
`
`【物件名】
`
`要約書 1
`
`【包括委任状番号】 9601026
`
`【プルーフの要否】
`
`要
`
`Page 3 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 1/ 40
`
`【書類名】
`
`明細書
`
`【発明の名称】 配線構造体の形成方法
`
`【特許請求の範囲】
`
`【請求項1】 下層の金属配線の上に第1の絶縁膜を形成する第1の工程と、
`
`前記第1の絶縁膜の上に該第1の絶縁膜と組成が異なる第2の絶縁膜を形成す
`
`る第2の工程と、
`
`前記第2の絶縁膜の上に該第2の絶縁膜と組成が異なる第3の絶縁膜を形成す
`
`る第3の工程と、
`
`前記第3の絶縁膜の上に導電性膜を形成する第4の工程と、
`
`前記導電性膜の上に、配線形成用開口部を有する第1のレジストパターンを形
`
`成する第5の工程と、
`
`前記導電性膜に対して前記第1のレジストパターンをマスクとしてエッチング
`
`を行なって、前記導電性膜からなり配線形成用開口部を有するマスクパターンを
`
`形成する第6の工程と、
`
`前記第3の絶縁膜の上に、コンタクトホール形成用開口部を有する第2のレジ
`
`ストパターンを形成する第7の工程と、
`
`前記第3の絶縁膜、第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンに対
`
`するエッチングレートが高い一方、前記第2の絶縁膜に対するエッチングレート
`
`が低いエッチング条件で、前記第3の絶縁膜に対してドライエッチングを行なう
`
`ことにより、前記第3の絶縁膜を該第3の絶縁膜にコンタクトホール形成用開口
`
`部が形成されるようにパターン化すると共に、前記第1のレジストパターン及び
`
`第2のレジストパターンを全面的に又は下部を残して除去する第8の工程と、
`
`前記第2の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、前記第1の絶縁膜及
`
`び第3の絶縁膜に対するエッチングレートが低いエッチング条件で、前記第2の
`
`絶縁膜に対してパターン化された前記第3の絶縁膜をマスクとしてドライエッチ
`
`ングを行なうことにより、前記第2の絶縁膜を該第2の絶縁膜にコンタクトホー
`
`ル形成用開口部が形成されるようにパターン化する第9の工程と、
`
`前記第1の絶縁膜及び第3の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、前
`
`記マスクパターン及び第2の絶縁膜に対するエッチングレートが低いエッチング
`
`Page 4 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 2/ 40
`
`条件で、前記第3の絶縁膜に対して前記マスクパターンをマスクとしてドライエ
`
`ッチングを行なうと共に前記第1の絶縁膜に対してパターン化された前記第2の
`
`絶縁膜をマスクとしてドライエッチングを行なうことにより、前記第3の絶縁膜
`
`に配線溝を形成すると共に前記第1の絶縁膜にコンタクトホールを形成する第1
`
`0の工程と、
`
`前記配線溝及びコンタクトホールに金属膜を充填することにより、上層の金属
`
`配線及び前記下層の金属配線と前記上層の金属配線とを接続するコンタクトを形
`
`成する第11の工程とを備えていることを特徴とする配線構造体の形成方法。
`
`【請求項2】 前記第10の工程と前記第11の工程との間に、前記第3の絶
`
`縁膜における前記配線溝に露出している部分及び前記第1の絶縁膜における前記
`
`コンタクトホールに露出している部分に金属膜からなる密着層を形成する工程を
`
`さらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【請求項3】 前記第3の絶縁膜は有機成分を主成分とすることを特徴とする
`
`請求項1に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【請求項4】 前記第3の工程は、パーフルオロデカリンを含む反応性ガスを
`
`用いるCVD法により前記第3の絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする
`
`請求項3に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【請求項5】 前記第1の絶縁膜は有機成分を主成分とすることを特徴とする
`
`請求項3に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【請求項6】 前記第10の工程と前記第11の工程との間に、前記第3の絶
`
`縁膜における前記配線溝に露出している部分及び前記第1の絶縁膜における前記
`
`コンタクトホールに露出している部分に、窒素を含有する反応性ガスを用いるプ
`
`ラズマ処理によって密着層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする
`
`請求項5に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【請求項7】 前記第1の工程は、パーフルオロデカリンを含む反応性ガスを
`
`用いるCVD法により前記第3の絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする
`
`請求項3に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【請求項8】 下層の金属配線の上に第1の絶縁膜を形成する第1の工程と、
`
`前記第1の絶縁膜の上に該第1の絶縁膜と組成が異なる第2の絶縁膜を形成す
`
`Page 5 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 3/ 40
`
`る第2の工程と、
`
`前記第2の絶縁膜の上に該第2の絶縁膜と組成が異なる第3の絶縁膜を形成す
`
`る第3の工程と、
`
`前記第3の絶縁膜の上に導電性膜を形成する第4の工程と、
`
`前記導電性膜の上に、配線形成用開口部を有する第1のレジストパターンを形
`
`成する第5の工程と、
`
`前記導電性膜に対して前記第1のレジストパターンをマスクとしてエッチング
`
`を行なって、前記導電性膜からなり配線形成用開口部を有するマスクパターンを
`
`形成する第6の工程と、
`
`前記第3の絶縁膜の上に、コンタクトホール形成用開口部を有する第2のレジ
`
`ストパターンを形成する第7の工程と、
`
`前記第3の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、前記第2の絶縁膜、
`
`第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンに対するエッチングレート
`
`が低いエッチング条件で、前記第3の絶縁膜に対して前記第1のレジストパター
`
`ン及び第2のレジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行なうことに
`
`より、前記第3の絶縁膜を該第3の絶縁膜にコンタクトホール形成用開口部が形
`
`成されるようにパターン化する第8の工程と、
`
`前記第2の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、前記第1の絶縁膜、
`
`第3の絶縁膜、第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンに対するエ
`
`ッチングレートが低いエッチング条件で、前記第2の絶縁膜に対して前記第1の
`
`レジストパターン及び第2のレジストパターンをマスクとしてドライエッチング
`
`を行なうことにより、前記第2の絶縁膜を該第2の絶縁膜にコンタクトホール形
`
`成用開口部が形成されるようにパターン化する第9の工程と、
`
`前記第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンを除去する第10の
`
`工程と、
`
`前記第1の絶縁膜及び第3の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、前
`
`記マスクパターン及び第2の絶縁膜に対するエッチングレートが低いエッチング
`
`条件で、前記第3の絶縁膜に対して前記マスクパターンをマスクとしてドライエ
`
`ッチングを行なうと共に前記第1の絶縁膜に対してパターン化された前記第2の
`
`Page 6 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 4/ 40
`
`絶縁膜をマスクとしてドライエッチングを行なうことにより、前記第3の絶縁膜
`
`に配線溝を形成すると共に前記第1の絶縁膜にコンタクトホールを形成する第1
`
`1の工程と、
`
`前記配線溝及びコンタクトホールに金属膜を充填することにより、上層の金属
`
`配線及び前記下層の金属配線と前記上層の金属配線とを接続するコンタクトを形
`
`成する第12の工程とを備えていることを特徴とする配線構造体の形成方法。
`
`【請求項9】 前記第3の絶縁膜は、シロキサン骨格を有する低誘電率SOG
`
`膜であることを特徴とする請求項8に記載の配線構造体の形成方法。
`
`【発明の詳細な説明】
`
`【0001】
`
`【発明の属する技術分野】
`
`本発明は半導体集積回路装置における配線構造体の形成方法に関する。
`
`【0002】
`
`【従来の技術】
`
`半導体集積回路の高集積化の進展に伴い、金属配線同士の間の寄生容量である
`
`配線間容量の増加に起因する配線遅延時間の増大が半導体集積回路の高性能化の
`
`妨げとなっている。配線遅延時間は金属配線の抵抗と配線間容量との積に比例す
`
`るいわゆるRC遅延と言われるものである。
`
`【0003】
`
`従って、配線遅延時間を低減するためには、金属配線の抵抗を小さくするか又
`
`は配線間容量を小さくすることが必要である。
`
`【0004】
`
`そこで、配線抵抗を小さくために、配線材料としてアルミ系合金に代えて銅を
`
`用いる半導体集積回路装置がIBM社やモトローラ社から報告されている。銅材
`
`料はアルミ系合金材料の3分の2程度の比抵抗を有しているため、配線材料とし
`
`て銅材料を用いると、アルミ系合金材料を用いる場合に比べて、単純に計算する
`
`と配線遅延時間が3分の2に減少するので、1.5倍の高速化を実現することが
`
`できる。
`
`Page 7 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 5/ 40
`
`【0005】
`
`しかしながら、半導体集積回路の高集積化がさらに進展すると、銅からなる金
`
`属配線を用いる場合でも、配線遅延時間の増大によって、高速化が限界に達する
`
`と懸念されている。また、配線材料としての銅は、金又は銀についで比抵抗が小
`
`さいので、銅からなる金属配線に代えて金又は銀からなる金属配線を用いても、
`
`配線抵抗の低減は(cid:19200)かなものである。
`
`【0006】
`
`このため、半導体集積回路の高集積化のためには、配線抵抗の低減と共に配線
`
`間容量の低減が重要になっており、配線間容量の低減のためには、層間絶縁膜の
`
`比誘電率を小さくすることが必要である。従来、層間絶縁膜としては、シリコン
`
`酸化膜が用いられているが、シリコン酸化膜の比誘電率は4~4.5程度であっ
`
`て、より高集積化された半導体集積回路における層間絶縁膜には採用し難いとい
`
`う問題がある。
`
`【0007】
`
`そこで、比誘電率がシリコン酸化膜よりも小さい層間絶縁膜として、フッ素添
`
`加シリコン酸化膜、低誘電率SOG膜及び有機高分子膜が提案されている。
`
`【0008】
`
`【発明が解決しようとする課題】
`
`ところで、フッ素添加シリコン酸化膜の比誘電率は3.3~3.7であって、
`
`従来のシリコン酸化膜に比べて2割程度小さいが、フッ素添加シリコン酸化膜は
`
`、吸湿性が高いので大気中の水分を吸収しやすい。このため、フッ素添加シリコ
`
`ン酸化膜が水分を吸収して、比誘電率の高いSiOHが膜中に取り込まれるので
`
`、フッ素添加シリコン酸化膜の比誘電率が増加したり、熱処理工程においてSi
`
`OHが反応してH2 Oガスを放出したりするという問題、及びフッ素添加シリコ
`
`ン酸化膜中に遊離しているフッ素が熱処理工程において表面に偏析し、偏析した
`
`フッ素が密着層としてのTiN膜のTi等と反応して剥がれやすいTiF膜を形
`
`成するという問題等があり、フッ素添加シリコン酸化膜は実用上の課題が多い。
`
`【0009】
`
`低誘電率SOG膜としては、HSQ(Hydrogen
`
`silsesquioxane:Si原子と
`
`Page 8 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 6/ 40
`
`、O原子と、O原子の数の3分の2の数のH原子とからなる構造体)膜が検討さ
`
`れているが、HSQ膜は、従来のシリコン酸化膜に比べて、水分放出量が多いの
`
`で加工性が悪いという問題がある。HSQ膜は加工性が悪いためHSQ膜に埋め
`
`込み配線を形成することは困難であるから、HSQ膜に金属配線を形成する場合
`
`には金属膜がパターン化されてなる金属配線を用いる必要がある。
`
`【0010】
`
`また、HSQ膜は金属配線との密着性が低いので、金属配線との密着性を確保
`
`するために金属配線との間に密着層としてのCVD酸化膜を形成する必要がある
`
`。ところが、金属配線の上にCVD酸化膜を形成すると、金属配線間に比誘電率
`
`の大きいCVD酸化膜が存在するため、実質的な配線間容量はHSQ膜とCVD
`
`酸化膜とから構成される直列容量になるので、HSQ膜を単体で用いた場合に比
`
`べて配線間容量が大きくなってしまうという問題がある。
`
`【0011】
`
`有機高分子膜は、低誘電率SOG膜と同様、金属配線との密着性が低いので、
`
`金属配線との間に密着層としてのCVD酸化膜を形成する必要がある。
`
`【0012】
`
`また、有機高分子膜に対するエッチングレートが酸素プラズマによりレジスト
`
`パターンをアッシングする際のアッシングレートとほぼ等しいため、レジストパ
`
`ターンをアッシングにより除去する際に有機高分子膜がダメージを受けるので、
`
`通常のレジストプロセスが使えないという問題がある。そこで、有機高分子膜の
`
`上にCVD酸化膜を形成した後、該CVD酸化膜の上にレジスト膜を形成し、C
`
`VD酸化膜をエッチングストッパー(保護膜)としてレジスト膜をエッチング加
`
`工する方法が提案されている。
`
`【0013】
`
`ところが、有機高分子膜の上にCVD酸化膜を形成する際、有機高分子膜の表
`
`面が酸素を含む反応性ガスに曝されるため、有機高分子膜が酸素と反応して有機
`
`高分子膜中にカルボニル基やケトン基等の極性基が導入されるので、有機高分子
`
`膜の比誘電率が増加してしまうという問題がある。
`
`Page 9 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 7/ 40
`
`【0014】
`
`また、有機高分子膜に銅の埋め込み配線を形成する場合、有機高分子膜は金属
`
`配線との密着性が低いため、有機高分子膜に形成された配線用凹部の周面に例え
`
`ばTiN等からなる密着層を形成する必要があるが、TiN膜は抵抗が高いため
`
`金属配線の有効断面積が減少してしまうので、銅からなる金属配線を用いて低抵
`
`抗化を図ったメリットが損なわれてしまうという問題がある。
`
`【0015】
`
`前記に鑑み、本発明は、通常のレジストプロセスを採用して、比誘電率が低い
`
`層間絶縁膜を形成できるようにすることを目的とする。
`
`【0016】
`
`【課題を解決するための手段】
`
`本発明に係る第1の配線構造体の形成方法は、下層の金属配線の上に第1の絶
`
`縁膜を形成する第1の工程と、第1の絶縁膜の上に該第1の絶縁膜と組成が異な
`
`る第2の絶縁膜を形成する第2の工程と、第2の絶縁膜の上に該第2の絶縁膜と
`
`組成が異なる第3の絶縁膜を形成する第3の工程と、第3の絶縁膜の上に導電性
`
`膜を形成する第4の工程と、導電性膜の上に、配線形成用開口部を有する第1の
`
`レジストパターンを形成する第5の工程と、導電性膜に対して第1のレジストパ
`
`ターンをマスクとしてエッチングを行なって、導電性膜からなり配線形成用開口
`
`部を有するマスクパターンを形成する第6の工程と、第3の絶縁膜の上に、コン
`
`タクトホール形成用開口部を有する第2のレジストパターンを形成する第7の工
`
`程と、第3の絶縁膜、第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンに対
`
`するエッチングレートが高い一方、第2の絶縁膜に対するエッチングレートが低
`
`いエッチング条件で、第3の絶縁膜に対してドライエッチングを行なうことによ
`
`り、第3の絶縁膜を該第3の絶縁膜にコンタクトホール形成用開口部が形成され
`
`るようにパターン化すると共に、第1のレジストパターン及び第2のレジストパ
`
`ターンを全面的に又は下部を残して除去する第8の工程と、第2の絶縁膜に対す
`
`るエッチングレートが高い一方、第1の絶縁膜及び第3の絶縁膜に対するエッチ
`
`ングレートが低いエッチング条件で、第2の絶縁膜に対してパターン化された第
`
`3の絶縁膜をマスクとしてドライエッチングを行なうことにより、第2の絶縁膜
`
`Page 10 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 8/ 40
`
`を該第2の絶縁膜にコンタクトホール形成用開口部が形成されるようにパターン
`
`化する第9の工程と、第1の絶縁膜及び第3の絶縁膜に対するエッチングレート
`
`が高い一方、マスクパターン及び第2の絶縁膜に対するエッチングレートが低い
`
`エッチング条件で、第3の絶縁膜に対してマスクパターンをマスクとしてドライ
`
`エッチングを行なうと共に第1の絶縁膜に対してパターン化された第2の絶縁膜
`
`をマスクとしてドライエッチングを行なうことにより、第3の絶縁膜に配線溝を
`
`形成すると共に第1の絶縁膜にコンタクトホールを形成する第10の工程と、配
`
`線溝及びコンタクトホールに金属膜を充填することにより、上層の金属配線及び
`
`下層の金属配線と上層の金属配線とを接続するコンタクトを形成する第11の工
`
`程とを備えている。
`
`【0017】
`
`第1の配線構造体の形成方法によると、第8の工程において、第3の絶縁膜、
`
`第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンに対するエッチングレート
`
`が高い一方、第2の絶縁膜に対するエッチングレートが低いエッチング条件で、
`
`第3の絶縁膜に対してドライエッチングを行なって、第3の絶縁膜をパターン化
`
`すると共に、第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンを除去するた
`
`め、第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンを酸素プラズマを用い
`
`るアッシングにより除去する工程が不要になる。
`
`【0018】
`
`また、第2の絶縁膜の組成と第3の絶縁膜の組成とが異なるため、第10の工
`
`程において、第3の絶縁膜に対してマスクパターンをマスクとしてドライエッチ
`
`ングを行なって配線溝を形成する際に、第2の絶縁膜をエッチングストッパーと
`
`して用いることができる。
`
`【0019】
`
`第1の配線構造体の形成方法は、第10の工程と第11の工程との間に、第3
`
`の絶縁膜における配線溝に露出している部分及び第1の絶縁膜におけるコンタク
`
`トホールに露出している部分に金属膜からなる密着層を形成する工程をさらに備
`
`えていることが好ましい。
`
`Page 11 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 9/ 40
`
`【0020】
`
`第1の配線構造体の形成方法において、第3の絶縁膜は有機成分を主成分とす
`
`ることが好ましい。
`
`【0021】
`
`この場合、第3の工程は、パーフルオロデカリンを含む反応性ガスを用いるC
`
`VD法により第3の絶縁膜を形成する工程を含むことが好ましい。
`
`【0022】
`
`また、この場合、第1の絶縁膜も有機成分を主成分とすることが好ましい。
`
`【0023】
`
`第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜が有機成分を主成分とする場合には、第10の
`
`工程と第11の工程との間に、第3の絶縁膜における配線溝に露出している部分
`
`及び第1の絶縁膜におけるコンタクトホールに露出している部分に、窒素を含有
`
`する反応性ガスを用いるプラズマ処理によって密着層を形成する工程をさらに備
`
`えていることが好ましい。
`
`【0024】
`
`第1の絶縁膜が有機成分を主成分とする場合には、第1の工程は、パーフルオ
`
`ロデカリンを含む反応性ガスを用いるCVD法により第3の絶縁膜を形成する工
`
`程を含むことが好ましい。
`
`【0025】
`
`本発明に係る第2の配線構造体の形成方法は、下層の金属配線の上に第1の絶
`
`縁膜を形成する第1の工程と、第1の絶縁膜の上に該第1の絶縁膜と組成が異な
`
`る第2の絶縁膜を形成する第2の工程と、第2の絶縁膜の上に該第2の絶縁膜と
`
`組成が異なる第3の絶縁膜を形成する第3の工程と、第3の絶縁膜の上に導電性
`
`膜を形成する第4の工程と、導電性膜の上に、配線形成用開口部を有する第1の
`
`レジストパターンを形成する第5の工程と、導電性膜に対して第1のレジストパ
`
`ターンをマスクとしてエッチングを行なって、導電性膜からなり配線形成用開口
`
`部を有するマスクパターンを形成する第6の工程と、第3の絶縁膜の上に、コン
`
`タクトホール形成用開口部を有する第2のレジストパターンを形成する第7の工
`
`程と、第3の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、第2の絶縁膜、第1
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 10/ 40
`
`のレジストパターン及び第2のレジストパターンに対するエッチングレートが低
`
`いエッチング条件で、第3の絶縁膜に対して第1のレジストパターン及び第2の
`
`レジストパターンをマスクとしてドライエッチングを行なうことにより、第3の
`
`絶縁膜を該第3の絶縁膜にコンタクトホール形成用開口部が形成されるようにパ
`
`ターン化する第8の工程と、第2の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方
`
`、第1の絶縁膜、第3の絶縁膜、第1のレジストパターン及び第2のレジストパ
`
`ターンに対するエッチングレートが低いエッチング条件で、第2の絶縁膜に対し
`
`て第1のレジストパターン及び第2のレジストパターンをマスクとしてドライエ
`
`ッチングを行なうことにより、第2の絶縁膜を該第2の絶縁膜にコンタクトホー
`
`ル形成用開口部が形成されるようにパターン化する第9の工程と、第1のレジス
`
`トパターン及び第2のレジストパターンを除去する第10の工程と、第1の絶縁
`
`膜及び第3の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、マスクパターン及び
`
`第2の絶縁膜に対するエッチングレートが低いエッチング条件で、第3の絶縁膜
`
`に対してマスクパターンをマスクとしてドライエッチングを行なうと共に第1の
`
`絶縁膜に対してパターン化された第2の絶縁膜をマスクとしてドライエッチング
`
`を行なうことにより、第3の絶縁膜に配線溝を形成すると共に第1の絶縁膜にコ
`
`ンタクトホールを形成する第11の工程と、配線溝及びコンタクトホールに金属
`
`膜を充填することにより、上層の金属配線及び下層の金属配線と上層の金属配線
`
`とを接続するコンタクトを形成する第12の工程とを備えている。
`
`【0026】
`
`第2の配線構造体の形成方法によると、第10の工程において、第1のレジス
`
`トパターン及び第2のレジストパターンを除去する際に、第1の絶縁膜及び第3
`
`の絶縁膜における第2の絶縁膜のコンタクトホール形成用開口部に露出している
`
`部分にダメージ層が形成されても、第11の工程において、第1の絶縁膜及び第
`
`3の絶縁膜に対するエッチングレートが高い一方、マスクパターン及び第2の絶
`
`縁膜に対するエッチングレートが低いエッチング条件で、第3の絶縁膜に対して
`
`マスクパターンをマスクとしてドライエッチングを行なうと共に第1の絶縁膜に
`
`対してパターン化された第2の絶縁膜をマスクとしてドライエッチングを行なっ
`
`て、第3の絶縁膜に配線溝を形成すると共に第1の絶縁膜にコンタクトホールを
`
`Page 13 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 11/ 40
`
`形成するため、第1の絶縁膜及び第3の絶縁膜に形成されているダメージ層は確
`
`実に除去される。
`
`【0027】
`
`第2の配線構造体の形成方法において、第3の絶縁膜は、シロキサン骨格を有
`
`する低誘電率SOG膜であることが好ましい。
`
`【0028】
`
`【発明の実施の形態】
`
`(第1の実施形態)
`
`以下、本発明の第1の実施形態に係る配線構造体の形成方法について、図1(
`
`a)~(c)、図2(a)~(c)及び図3(a)~(c)を参照しながら説明
`
`する。
`
`【0029】
`
`まず、図1(a)に示すように、半導体基板100上に形成された第1の金属
`
`配線101の上に、後に行なわれるエッチング工程において第1の金属配線10
`
`1を保護する例えば50nmの膜厚を有するシリコン窒化膜102を形成した後
`
`、該シリコン窒化膜102の上に、例えば1μmの膜厚を有すると共に有機成分
`
`を主成分とする第1の有機膜103を堆積する。次に、第1の有機膜103の上
`
`に、例えば50nmの膜厚を有すると共にシリコン酸化物中に有機成分を含有す
`
`る有機含有シリコン酸化膜104を堆積した後、該有機含有シリコン酸化膜10
`
`4の上に、例えば400nmの膜厚を有すると共に有機成分を主成分とする第2
`
`の有機膜105を堆積し、その後、該第2の有機膜105の上に例えば50nm
`
`の膜厚を有する窒化チタン膜106を堆積する。
`
`【0030】
`
`第1及び第2の有機膜103、105の堆積方法については、特に限定されな
`
`いが、例えばパーフルオロデカシンを主原料とする反応性ガスを用いるプラズマ
`
`CVD法が挙げられる。また、第1及び第2の有機膜103、105としては、
`
`プラズマCVD法、塗布法又は熱CVD法により形成された、炭化水素膜又はフ
`
`ッ素を含有する炭化水素膜を用いることができる。
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 12/ 40
`
`【0031】
`
`また、第1の有機膜103の堆積方法としては、例えばパーフルオロデカシン
`
`と、ヘキサメチルジシロキサン、アリルアルコキシシラン又はアルキルアルコキ
`
`シシラン等の有機シランとを主原料とする反応性ガスを用いるプラズマCVD法
`
`でもよい。このようにすると、有機無機ハイブリッド膜が得られる。
`
`【0032】
`
`また、有機含有シリコン酸化膜104の堆積方法については、特に限定されな
`
`いが、例えばフェニルトリメトキシランを主原料とする反応性ガスを用いるCV
`
`D法が挙げられる。このようにすると、シリコン酸化物中にシリコン原子と結合
`
`したフェニル基が取り込まれた構造を有する有機含有シリコン酸化膜104が得
`
`られる。
`
`【0033】
`
`次に、図1(b)に示すように、窒化チタン膜106の上に、リソグラフィ工
`
`程により配線溝形成用開口部を有する第1のレジストパターン107を形成した
`
`後、該第1のレジストパターン107をマスクとして窒化チタン膜106に対し
`
`てドライエッチングを行なって、図1(c)に示すように、窒化チタン膜106
`
`からなるマスクパターン108を形成する。
`
`【0034】
`
`次に、第1のレジストパターン107を除去することなく、第2の有機膜10
`
`5の上に、リソグラフィ工程によりコンタクトホール形成用開口部を有する第2
`
`のレジストパターン109を形成した後、第2の有機膜105に対してドライエ
`
`ッチングを行なって、図2(a)に示すように、コンタクトホール形成用開口部
`
`を有するパターン化された第2の有機膜105Aを形成する。この場合、第2の
`
`有機膜105と、第1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン1
`
`09とは共に有機成分を主成分としているため、第2の有機膜105に対するエ
`
`ッチングレートと、第1及び第2のレジストパターン107、109に対するエ
`
`ッチングレートとはほぼ等しいので、第2の有機膜105に対するドライエッチ
`
`ング工程により、第1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン1
`
`09は除去される。
`
`Page 15 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 13/ 40
`
`【0035】
`
`尚、第2の有機膜105に対するドライエッチング工程において、第2のレジ
`
`ストパターン109が残存しても差し支えない。その理由は、残存する第2のレ
`
`ジストパターン109は、後に行なわれるパターン化された第2の有機膜105
`
`Aに配線溝111を形成する工程(図2(c)を参照)において除去されるから
`
`である。
`
`【0036】
`
`次に、パターン化された第2の有機膜105Aをマスクとして有機含有シリコ
`
`ン酸化膜104に対してドライエッチングを行なって、図2(b)に示すように
`
`、コンタクトホール形成用開口部を有するパターン化された有機含有シリコン酸
`
`化膜104Aを形成する。このドライエッチング工程は、有機含有シリコン酸化
`
`膜104に対するエッチングレートがパターン化された第2の有機膜105Aに
`
`対するエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング条件を選択すること
`
`により、パターン化された第2の有機膜105Aがエッチングされる事態を防止
`
`する。
`
`【0037】
`
`次に、マスクパターン108をマスクとしてパターン化された第2の有機膜1
`
`05Aに対し、またパターン化された有機含有シリコン酸化膜104Aをマスク
`
`として第1の有機膜103に対してそれぞれドライエッチングを行なって、図2
`
`(c)に示すように、パターン化された第2の有機膜105Aに配線溝111を
`
`形成すると共に、コンタクトホール110を有するパターン化された第1の有機
`
`膜103Aを形成する。
`
`【0038】
`
`次に、パターン化された有機含有シリコン酸化膜104Aをマスクとしてシリ
`
`コン窒化膜102に対してドライエッチングを行なって、図3(a)に示すよう
`
`に、パターン化されたシリコン窒化膜102Aを形成すると共に、第1の金属配
`
`線101をコンタクトホール110に露出させる。
`
`【0039】
`
`次に、図3(b)に示すように、コンタクトホール110及び配線溝111の
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 14/ 40
`
`壁面に例えば50nmの膜厚を有する窒化チタンからなる密着層112を堆積し
`
`た後、コンタクトホール110及び配線溝111が埋まるように全面に亘って金
`
`属膜113を堆積する。金属膜113の組成は特に限定されず、銅、アルミニウ
`
`ム、金、銀、ニッケル、コバルト、タングステン又はこれらの合金等を用いるこ
`
`とができると共に、金属膜113の堆積方法も特に限定されず、メッキ法、CV
`
`D法又はスパッタ法等を用いることができる。
`
`【0040】
`
`次に、図3(c)に示すように、パターン化された第2の有機膜105Aの上
`
`に堆積されている、密着層112、金属膜113及びマスクパターン108を例
`
`えばCMP法により除去して、金属膜113からなる第2の金属配線114、及
`
`び第1の金属配線101と第2の金属配線114とを接続する金属膜113から
`
`なるコンタクト115を形成する。
`
`【0041】
`
`尚、第2の金属配線114の上に、前述した工程と同様の工程を行なうことに
`
`より、多層配線構造を形成することができる。
`
`【0042】
`
`第1の実施形態によると、有機含有シリコン酸化膜104は、フェニルトリメ
`
`トキシシランを主原料とする反応性ガスを用いるCVD法により形成された膜で
`
`あるため、シリコン酸化物中にシリコン原子と結合したフェニル基(有機基)が
`
`取り込まれた構造を有している。従って、従来のCVD酸化膜と同程度に良好な
`
`加工性及びHSQ膜と同程度に低い比誘電率を有していると共に、有機膜、酸化
`
`膜及び金属膜に対する高い密着性を有している。
`
`【0043】
`
`また、窒化チタン膜106からなるマスクパターン108を形成した後、第1
`
`のレジストパターン107を除去することなく第2のレジストパターン109を
`
`形成すると共に、第2の有機膜105に対するドライエッチング工程により、第
`
`1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン109を除去するため
`
`、第1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン109を酸素プラ
`
`ズマを用いるアッシングにより除去する工程が不要になるので、レジストパター
`
`Page 17 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 15/ 40
`
`ンをアッシングにより除去する際に第2の有機膜105がダメージを受ける事態
`
`を回避することができる。従って、層間絶縁膜として比誘電率が低い第2の有機
`
`膜105を用いるにも拘わらず、通常のレジストプロセスを採用することが可能
`
`になる。
`
`【0044】
`
`また、マスクパターン108をマスクとしパターン化された有機含有シリコン
`
`酸化膜104Aをエッチングストッパーとして、パターン化された第2の有機膜
`
`105Aに対してドライエッチングを行なって配線溝111を形成するため、配
`
`線溝111の深さは第2の有機膜105の膜厚と一致するので、配線溝111の
`
`深さを自己整合的に規定することができる。
`
`【0045】
`
`以下、第2のレジストパターン109が第1のレジストパターン107に対し
`
`て位置ずれを起こした場合の問題点及びその場合の解決策について説明する。
`
`【0046】
`
`まず、第2のレジストパターン109が位置ずれを起こした場合の問題点につ
`
`いて、図4(a)~(c)、図5(a)~(c)及び図6(a)~(c)を参照
`
`しながら説明する。
`
`【0047】
`
`第1の実施形態と同様、図4(a)に示すように、半導体基板100上に形成
`
`された第1の金属配線101の上に例えば50nmの膜厚を有するシリコン窒化
`
`膜102を形成した後、該シリコン窒化膜102の上に、例えば1μmの膜厚を
`
`有すると共に有機成分を主成分とする第1の有機膜103を堆積する。
`
`【0048】
`
`次に、第1の有機膜103の上に、例えば50nmの膜厚を有すると共にシリ
`
`コン酸化物中に有機成分を含有する有機含有シリコン酸化膜104を堆積した後
`
`、該有機含有シリコン酸化膜104の上に、例えば400nmの膜厚を有すると
`
`共に有機成分を主成分とする第2の有機膜105を堆積し、その後、第2の有機
`
`膜105の上に例えば50nmの膜厚を有する窒化チタン膜106を堆積する。
`
`Page 18 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 16/ 40
`
`【0049】
`
`次に、図4(b)に示すように、窒化チタン膜106の上に、配線溝形成用開
`
`口部を有する第1のレジストパターン107を形成した後、該第1のレジストパ
`
`ターン107をマスクとして窒化チタン膜106に対してドライエッチングを行
`
`なって、図4(c)に示すように、窒化チタン膜106からなるマスクパターン
`
`108を形成する。
`
`【0050】
`
`次に、図5(a)に示すように、第1のレジストパターン107を除去するこ
`
`となく、第2の有機膜105の上に、コンタクトホール形成用開口部を有する第
`
`2のレジストパターン109を形成する。この場合、図5(a)と図1(c)と
`
`の対比から分かるように、第2のレジストパターン109は第1のレジストパタ
`
`ーン107に対して位置ずれを起こしている。
`
`【0051】
`
`次に、第2の有機膜105に対してドライエッチングを行なって、図5(b)
`
`に示すように、コンタクトホール形成用開口部を有するパターン化された第2の
`
`有機膜105Aを形成する。第1の実施形態と同様、第2の有機膜105と、第
`
`1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン109とは共に有機成
`
`分を主成分としているため、第2の有機膜105に対するドライエッチング工程
`
`により、第1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン109は除
`
`去される。この場合、第2のレジストパターン109が第1のレジストパターン
`
`107に対して位置ずれを起こしているため、第2の有機膜105Aに形成され
`
`るコンタクトホール形成用開口部の径は小さい。
`
`【0052】
`
`次に、パターン化された第2の有機膜105Aをマスクとして有機含有シリコ
`
`ン酸化膜104に対してドライエッチングを行なって、図5(c)に示すように
`
`、コンタクトホール形成用開口部を有するパターン化された有機含有シリコン酸
`
`化膜104Aを形成する。
`
`【0053】
`
`次に、マスクパターン108をマスクとしてパターン化された第2の有機膜1
`
`Page 19 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 17/ 40
`
`05Aに対し、またパターン化された有機含有シリコン酸化膜104Aをマスク
`
`として第1有機膜103に対してそれぞれドライエッチングを行なって、図6(
`
`a)に示すように、パターン化された第2の有機膜105Aに配線溝111を形
`
`成すると共に、コンタクトホール110を有するパターン化された第1の有機膜
`
`103Aを形成する。その後、パターン化された有機含有シリコン酸化膜104
`
`Aをマスクとしてシリコン窒化膜102に対してドライエッチングを行なって、
`
`図6(b)に示すように、パターン化されたシリコン窒化膜102Aを形成する
`
`と共に、第1の金属配線101をコンタクトホール110に露出させる。
`
`【0054】
`
`次に、コンタクトホール110及び配線溝111の壁面に例えば50nmの膜
`
`厚を有する窒化チタン層からなる密着層112を堆積した後、全面に亘って金属
`
`膜を堆積し、その後、パターン化された第2の有機膜105Aの上に堆積されて
`
`いる、密着層112、金属膜及びマスクパターン108を例えばCMP法により
`
`除去する。このようにすると、図6(c)に示すように、金属膜からなる第2の
`
`金属配線114は形成されるが、コンタクトホール110の径が小さいため該コ
`
`ンタクトホール110には金属膜が完全には充填されないので、第1の金属配線
`
`101と第2の金属配線112とは接続されず、不良が発生する。
`
`【0055】
`
`以下、第2のレジストパターン109が位置ずれを起こした場合の解決策につ
`
`いて、図7(a)~(c)及び図8(a)~(c)を参照しながら説明する。
`
`【0056】
`
`まず、図4(a)~(c)及び図5(a)に基づいて説明した前述の工程と同
`
`様の工程によって、コンタクトホール形成用開口部を有する第2のレジストパタ
`
`ーン109を形成するが、この場合にも、第2のレジストパターン109は第1
`
`のレジストパターン107に対して位置ずれを起こしている(図5(a)を参照
`
`)。
`
`【0057】
`
`そこで、図7(a)に示すように、第2のレジストパターン109をマスクと
`
`して第1のレジストパターン107及びマスクパターン108に対してドライエ
`
`Page 20 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 18/ 40
`
`ッチングを行なって、第1のレジストパターン107における第2のレジストパ
`
`ターン109と重なっていない領域を除去すると共に、マスクパターン108の
`
`開口部を配線溝形成用開口部及びコンタクトホール形成用開口部を含む大きさに
`
`拡大する。これによって、第2のレジストパターン109のコンタクトホール形
`
`成用開口部は、第1のレジストパターン107及びマスクパターン108に転写
`
`される。
`
`【0058】
`
`次に、第2の有機膜105に対してドライエッチングを行なって、図7(b)
`
`に示すように、コンタクトホール形成用開口部を有するパターン化された第2の
`
`有機膜105Aを形成する。この場合にも、第2の有機膜105と、第1のレジ
`
`ストパターン107及び第2のレジストパターン109とは共に有機成分を主成
`
`分としているため、第2の有機膜105に対するドライエッチング工程により、
`
`第1のレジストパターン107及び第2のレジストパターン109は除去される
`
`。
`
`【0059】
`
`次に、パターン化された有機膜105Aをマスクとして有機含有シリコン酸化
`
`膜104に対してドライエッチングを行なって、図7(c)に示すように、コン
`
`タクトホール形成用開口部を有するパターン化された有機含有シリコン酸化膜1
`
`04Aを形成する。
`
`【0060】
`
`前述のように、第2のレジストパターン109が第1のレジストパターン10
`
`7に対して位置ずれを起こしているが、第2のレジストパターン109のコンタ
`
`クトホール形成用開口部を第1のレジストパターン107及びマスクパターン1
`
`08に転写しているので、パターン化された第2の有機膜105A及びパターン
`
`化された有機含有シリコン酸化膜104Aに形成されるコンタクトホール形成用
`
`開口部の径は所定の大きさを有している。
`
`【0061】
`
`次に、マスクパターン108及びパターン化された有機含有シリコン酸化膜1
`
`04Aをマスクとしてパターン化された第2の有機膜105A及び第1の有機膜
`
`Page 21 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 19/ 40
`
`103に対してドライエッチングを行なって、図8(a)に示すように、パター
`
`ン化された第2の有機膜105Aに配線溝111を形成すると共に、コンタクト
`
`ホール110を有するパターン化された第1の有機膜103Aを形成する。その
`
`後、パターン化された有機含有シリコン酸化膜104Aをマスクとしてシリコン
`
`窒化膜102に対してドライエッチングを行なって、図8(b)に示すように、
`
`パターン化されたシリコン窒化膜102Aを形成すると共に、第1の金属配線1
`
`01をコンタクトホール110に露出させる。
`
`【0062】
`
`次に、コンタクトホール110及び配線溝111の壁面に例えば50nmの膜
`
`厚を有する窒化チタン層からなる密着層112を堆積した後、全面に亘って金属
`
`膜を堆積し、その後、パターン化された第2の有機膜105Aの上に堆積されて
`
`いる、密着層112、金属膜及びマスクパターン108を例えばCMP法により
`
`除去する。このようにすると、図8(c)に示すように、窒化チタン膜112及
`
`び金属膜からなる、第2の金属配線114及びコンタクト115が形成される。
`
`【0063】
`
`(第2の実施形態)
`
`以下、本発明の第2の実施形態に係る配線構造体の形成方法について、図9(
`
`a)~(c)、図10(a)~(c)及び図11(a)~(c)を参照しながら
`
`説明する。
`
`【0064】
`
`まず、図9(a)に示すように、半導体基板200上に形成された第1の金属
`
`配線201の上に例えば50nmの膜厚を有するシリコン窒化膜202を形成し
`
`た後、該シリコン窒化膜202の上に、例えば1μmの膜厚を有すると共に有機
`
`成分を主成分とする第1の有機膜203を堆積する。次に、第1の有機膜203
`
`の上に、例えば50nmの膜厚を有すると共にシリコン酸化物中に有機成分を含
`
`有する有機含有シリコン酸化膜204を堆積した後、該有機含有シリコン酸化膜
`
`204の上に、例えば400nmの膜厚を有すると共に有機成分を主成分とする
`
`第2の有機膜205を堆積し、その後、該第2の有機膜の上に例えば50nmの
`
`膜厚を有する窒化チタン膜206を堆積する。
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 20/ 40
`
`【0065】
`
`第1及び第2の有機膜203、205の堆積方法については、特に限定されな
`
`いが、例えばパーフルオロデカシンを主原料とする反応性ガスを用いるプラズマ
`
`CVD法が挙げられる。また、第1及び第2の有機膜203、205としては、
`
`プラズマCVD法、塗布法又は熱CVD法により形成された、炭化水素膜又はフ
`
`ッ素を含有する炭化水素膜を用いることができる。
`
`【0066】
`
`また、有機含有シリコン酸化膜204の堆積方法については、特に限定されな
`
`いが、例えばフェニルトリメトキシランを主原料とする反応性ガスを用いるCV
`
`D法が挙げられる。
`
`【0067】
`
`次に、図9(b)に示すように、窒化チタン膜206の上に、リソグラフィ工
`
`程により配線溝形成用開口部を有する第1のレジストパターン207を形成した
`
`後、該第1のレジストパターン207をマスクとして窒化チタン膜206に対し
`
`てドライエッチングを行なって、図9(c)に示すように、窒化チタン膜206
`
`からなるマスクパターン208を形成する。
`
`【0068】
`
`次に、第1のレジストパターン207を除去することなく、第2の有機膜20
`
`5の上に、リソグラフィ工程によりコンタクトホール形成用開口部を有する第2
`
`のレジストパターン209を形成した後、第2の有機膜205に対してドライエ
`
`ッチングを行なって、図10(a)に示すように、コンタクトホール形成用開口
`
`部を有するパターン化された第2の有機膜205Aを形成する。この場合、第2
`
`の有機膜205と、第1のレジストパターン207及び第2のレジストパターン
`
`209とは共に有機成分を主成分としているため、第2の有機膜205に対する
`
`エッチングレートと、第1及び第2のレジストパターン207、209に対する
`
`エッチングレートとはほぼ等しいので、第2の有機膜205に対するドライエッ
`
`チング工程により、第1のレジストパターン207及び第2のレジストパターン
`
`209は除去される。
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 21/ 40
`
`【0069】
`
`尚、第2のレジストパターン209が第1のレジストパターン207に対して
`
`位置ずれしている恐れがある場合には、第1の実施形態において説明したように
`
`、第2のレジストパターン209をマスクとして第1のレジストパターン207
`
`及びマスクパターン208に対してドライエッチングを行なって、第1のレジス
`
`トパターン207における第2のレジストパターン209と重なっていない領域
`
`を除去すると共に、マスクパターン208の開口部を配線溝形成用開口部及びコ
`
`ンタクトホール形成用開口部を含む大きさに拡大する。
`
`【0070】
`
`次に、パターン化された第2の有機膜205Aをマスクとして有機含有シリコ
`
`ン酸化膜204に対してドライエッチングを行なって、図10(b)に示すよう
`
`に、コンタクトホール形成用開口部を有するパターン化された有機含有シリコン
`
`酸化膜204Aを形成する。その後、マスクパターン208をマスクとしてパタ
`
`ーン化された第2の有機膜205Aに対し、またパターン化された有機含有シリ
`
`コン酸化膜204Aをマスクとして第1の有機膜203に対してそれぞれドライ
`
`エッチングを行なって、図10(c)に示すように、パターン化された第2の有
`
`機膜205Aに配線溝211を形成すると共に、コンタクトホール210を有す
`
`るパターン化された第1の有機膜203Aを形成する。
`
`【0071】
`
`次に、パターン化された有機含有シリコン酸化膜203Aをマスクとしてシリ
`
`コン窒化膜202に対してドライエッチングを行なって、図11(a)に示すよ
`
`うに、パターン化されたシリコン窒化膜202Aを形成すると共に、第1の金属
`
`配線201をコンタクトホール210に露出させる。
`
`【0072】
`
`次に、パターン化された第1の有機膜203A及びパターン化された第2の有
`
`機膜205Aに対してアンモニアガスを用いるプラズマ処理を行なう。このよう
`
`にすると、図11(b)に示すように、パターン化された第1の有機膜203A
`
`におけるコンタクトホール210に露出する壁部及びパターン化された第2の有
`
`機膜205Aにおける配線溝211に露出する壁部に、アミノ基及びアミド基を
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 22/ 40
`
`有する密着層212がそれぞれ形成される。その後、コンタクトホール210及
`
`び配線溝211が埋まるように全面に亘って金属膜213を堆積する。金属膜2
`
`13の組成は特に限定されず、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、コバルト
`
`、タングステン又はこれらの合金等を用いることができると共に、金属膜213
`
`の堆積方法も特に限定されず、メッキ法、CVD法又はスパッタ法等を用いるこ
`
`とができる。
`
`【0073】
`
`次に、図11(c)に示すように、パターン化された第2の有機膜205Aの
`
`上に堆積されている、金属膜213及びマスクパターン208を例えばCMP法
`
`により除去して、金属膜213からなる、第2の金属配線214及びコンタクト
`
`215を形成する。
`
`【0074】
`
`尚、第2の金属配線214の上に、前述した工程と同様の工程を行なうことに
`
`より、多層配線構造を形成することができる。
`
`【0075】
`
`(第3の実施形態)
`
`以下、本発明の第3の実施形態に係る配線構造体の形成方法について、図12
`
`(a)~(c)、図13(a)~(c)及び図14(a)~(c)を参照しなが
`
`ら説明する。
`
`【0076】
`
`まず、図12(a)に示すように、半導体基板300上に形成された第1の金
`
`属配線301の上に、後に行なわれるエッチング工程において第1の金属配線3
`
`01を保護する例えば50nmの膜厚を有するシリコン窒化膜302を形成した
`
`後、該シリコン窒化膜302の上に、例えば1μmの膜厚を有すると共にシリコ
`
`ン酸化物中に有機成分を含有する第1の有機含有シリコン酸化膜303を堆積す
`
`る。次に、第1の有機含有シリコン酸化膜303の上に、例えば400nmの膜
`
`厚を有すると共にシロキサン骨格を有する低誘電率SOG膜304を堆積した後
`
`、該低誘電率SOG膜304の上に、例えば50nmの膜厚を有すると共にシリ
`
`コン酸化物中に有機成分を含有する第2の有機含有シリコン酸化膜305を堆積
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 23/ 40
`
`し、その後、第2の有機含有シリコン酸化膜305の上に例えば50nmの膜厚
`
`を有する窒化チタン膜306を形成する。
`
`【0077】
`
`第1の有機含有シリコン酸化膜303及び第2の有機含有シリコン酸化膜30
`
`5の堆積方法については、特に限定されないが、例えばフェニルトリメトキシラ
`
`ンを主原料とする反応性ガスを用いるCVD法が挙げられる。また、シロキサン
`
`骨格を有する低誘電率SOG膜304としてはHSQ膜を用いることができる。
`
`【0078】
`
`次に、図12(b)に示すように、窒化チタン膜306の上に、リソグラフィ
`
`工程により配線溝形成用開口部を有する第1のレジストパターン307を形成し
`
`た後、該第1のレジストパターン307をマスクとして窒化チタン膜306に対
`
`してドライエッチングを行なって、図12(c)に示すように、窒化チタン膜3
`
`06からなるマスクパターン308を形成する。
`
`【0079】
`
`次に、図13(a)に示すように、第1のレジストパターン307を除去した
`
`後、第2の有機含有シリコン酸化膜305の上に、コンタクトホール形成用開口
`
`部を有する第2のレジストパターン309を形成する。その後、第2のレジスト
`
`パターン309をマスクとして、第2の有機含有シリコン酸化膜305、低誘電
`
`率SOG膜304及び第1の有機含有シリコン酸化膜303に対して順次ドライ
`
`エッチングを行なって、図13(b)に示すように、パターン化された第2の有
`
`機含有シリコン酸化膜305A、パターン化された低誘電率SOG膜304A及
`
`びコンタクトホール310を有するパターン化された第1の有機含有シリコン酸
`
`化膜303Aをそれぞれ形成する。
`
`【0080】
`
`次に、図13(c)に示すように、第2のレジストパターン309を除去した
`
`後、マスクパターン308をマスクとしてパターン化された第2の有機含有シリ
`
`コン酸化膜305Aに対してドライエッチングを行なって、パターン化された第
`
`2の有機含有シリコン酸化膜305Aに配線溝形成用開口部を形成し、その後、
`
`マスクパターン308及び配線溝形成用開口部を有するパターン化された第2の
`
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`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 24/ 40
`
`有機含有シリコン酸化膜305Aをマスクとしてパターン化された低誘電率SO
`
`G膜304Aに対してドライエッチングを行なって配線溝311を形成する。配
`
`線溝311を形成する工程においては、第1の有機含有シリコン酸化膜303A
`
`に対するエッチングレートが低誘電率SOG膜304Aに対するエッチングレー
`
`トに比べて十分に遅くなるようなエッチング条件を設定することにより、パター
`
`ン化された第1の有機含有シリコン酸化膜303Aに対する十分な選択比を確保
`
`できるので、配線溝311の深さを第2の有機含有シリコン酸化膜305及び低
`
`誘電率SOG膜304の合計膜厚により一義的に決定することができる。
`
`【0081】
`
`尚、第2のレジストパターン309が第1のレジストパターン307に対して
`
`位置ずれしている恐れがある場合には、第2のレジストパターン309をマスク
`
`として第2の有機含有シリコン酸化膜305に対してドライエッチングを行なう
`
`前に、第2のレジストパターン309をマスクとしてマスクパターン308に対
`
`するドライエッチングを行なうことが好ましい。すなわち、第2のレジストパタ
`
`ーン309が第1のレジストパターン307に対して位置ずれしているために、
`
`マスクパターン308が第2のレジストパターン309のコンタクトホール形成
`
`用開口部に露出している場合には、第2のレジストパターン309をマスクとし
`
`てマスクパターン308に対してドライエッチングを行なうことにより、マスク
`
`パターン308の開口部を配線溝形成用開口部及びコンタクトホール形成用開口
`
`部を含む大きさに拡大する。
`
`【0082】
`
`次に、パターン化された第1の有機含有シリコン酸化膜303Aをマスクとし
`
`てシリコン窒化膜302に対してドライエッチングを行なって、図14(a)に
`
`示すように、パターン化されたシリコン窒化膜302Aを形成すると共に、第1
`
`の金属配線301をコンタクトホール310に露出させる。
`
`【0083】
`
`次に、図14(b)に示すように、コンタクトホール310及び配線溝311
`
`の壁面に例えば50nmの膜厚を有する窒化チタン層からなる密着層312を堆
`
`積した後、コンタクトホール310及び配線溝311が埋まるように全面に亘っ
`
`Page 27 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 25/ 40
`
`て金属膜313を堆積する。金属膜313の組成は特に限定されず、銅、アルミ
`
`ニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、タングステン又はこれらの合金等を用い
`
`ることができると共に、金属膜313の堆積方法も特に限定されず、メッキ、C
`
`VD法又はスパッタ法等を用いることができる。
`
`【0084】
`
`次に、図14(c)に示すように、パターン化された第2の有機含有シリコン
`
`酸化膜305Aの上に堆積されている、密着層312、金属膜313及びマスク
`
`パターン308を例えばCMP法により除去して、金属膜313からなる第2の
`
`金属配線314、及び第1の金属配線301と第2の金属配線314とを接続す
`
`る金属膜313からなるコンタクト315を形成する。
`
`【0085】
`
`尚、第2の金属配線314の上に、前述した工程と同様の工程を行なうことに
`
`より、多層配線構造を形成することができる。
`
`【0086】
`
`第3の実施形態によると、第1のレジストパターン307を酸素プラズマを用
`
`いるアッシングにより除去する際には、低誘電率SOG膜304の上に第2の有
`
`機含有シリコン酸化膜305が存在しているため、低誘電率SOG膜304が酸
`
`素プラズマに曝されることはない。
`
`【0087】
`
`また、第2のレジストパターン309をマスクとして、第2の有機含有シリコ
`
`ン酸化膜305、低誘電率SOG膜304及び第1の有機含有シリコン酸化膜3
`
`03に対して順次ドライエッチングを行なった後、第2のレジストパターン30
`
`9を酸素プラズマを用いるアッシングにより除去するため、パターン化された低
`
`誘電率SOG膜304Aにおけるコンタクトホール形成用開口部に露出する領域
`
`は酸素プラズマに曝されるのでダメージを受ける。しかしながら、パターン化さ
`
`れた低誘電率SOG膜304Aにおけるダメージ層は、パターン化された低誘電
`
`率SOG膜304Aに配線溝311を形成する際に除去されるので、後工程にお
`
`いて悪影響を及ぼさない。
`
`Page 28 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 26/ 40
`
`【0088】
`
`従って、低誘電率SOG膜304としては、酸素プラズマによって劣化する材
`
`料を使用することが可能である。例えば、HSQ膜は、酸素プラズマに曝される
`
`と、Si-H結合が酸化されてしまうため、含有水分量の増加及び比誘電率の増
`
`加が起こって、素子の信頼性及び性能の劣化が引き起こされるが、第3の実施形
`
`態によると、配線溝311が形成された後のパターン化された低誘電率SOG膜
`
`304Aは酸素プラズマの影響を受けていないので、層間絶縁膜としてHSQ膜
`
`を用いても、素子の信頼性及び性能の劣化を回避することができる。
`
`【0089】
`
`(第3の実施形態の変形例)
`
`以下、本発明の第3の実施形態の変形例に係る配線構造体の形成方法について
`
`、図15(a)~(c)、図16(a)~(d)及び図17(a)~(c)を参
`
`照しながら説明する。
`
`【0090】
`
`まず、図15(a)に示すように、半導体基板350上に形成された第1の金
`
`属配線351の上に、後に行なわれるエッチング工程において第1の金属配線3
`
`51を保護する例えば50nmの膜厚を有するシリコン窒化膜352を形成した
`
`後、該シリコン窒化膜352の上に、例えば1μmの膜厚を有する第1のシリコ
`
`ン酸化膜353を堆積する。次に、第1のシリコン酸化膜353の上に、例えば
`
`400nmの膜厚を有する有機膜354を堆積した後、該有機膜354の上に、
`
`例えば50nmの膜厚を有する第2のシリコン酸化膜355を堆積し、その後、
`
`第2のシリコン酸化膜355の上に例えば50nmの膜厚を有する窒化チタン膜
`
`356を形成する。
`
`【0091】
`
`第1のシリコン酸化膜353及び第2のシリコン酸化膜355の堆積方法につ
`
`いては、特に限定されないが、例えばフェニルトリメトキシランを主原料とする
`
`反応性ガスを用いるCVD法が挙げられる。
`
`【0092】
`
`次に、図15(b)に示すように、窒化チタン膜356の上に、リソグラフィ
`
`Page 29 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 27/ 40
`
`工程により配線溝形成用開口部を有する第1のレジストパターン357を形成し
`
`た後、該第1のレジストパターン357をマスクとして窒化チタン膜356に対
`
`してドライエッチングを行なって、図15(c)に示すように、窒化チタン膜3
`
`56からなるマスクパターン358を形成する。
`
`【0093】
`
`次に、図16(a)に示すように、第1のレジストパターン357を除去した
`
`後、第2のシリコン酸化膜355の上に、コンタクトホール形成用開口部を有す
`
`る第2のレジストパターン359を形成する。その後、第2のレジストパターン
`
`359をマスクとして、第2のシリコン酸化膜355及び有機膜354に対して
`
`順次ドライエッチングを行なって、図16(b)に示すように、コンタクトホー
`
`ル形成用開口部360を有する、パターン化された第2のシリコン酸化膜355
`
`A及びパターン化された有機膜354Aをそれぞれ形成する。この場合、有機膜
`
`354に対するエッチング工程において第2のレジストパターン359が除去さ
`
`れる。
`
`【0094】
`
`次に、図16(c)に示すように、パターン化された第2のシリコン酸化膜3
`
`55A及びパターン化された有機膜354Aをマスクとして第1のシリコン酸化
`
`膜353に対してドライエッチングを行なって、コンタクトホール361を有す
`
`るパターン化された第1のシリコン酸化膜353Aを形成する。このエッチング
`
`工程において、パターン化された第2のシリコン酸化膜355Aにマスクパター
`
`ン358が転写されるので、パターン化された第2のシリコン酸化膜355Aに
`
`配線溝形成用開口部が形成される。
`
`【0095】
`
`次に、図16(d)に示すように、マスクパターン358及び配線溝形成用開
`
`口部を有するパターン化された第2のシリコン酸化膜355Aをマスクとしてパ
`
`ターン化された有機膜354Aに対してドライエッチングを行なって配線溝36
`
`2を形成する。配線溝362を形成する工程においては、第1のシリコン酸化膜
`
`353Aに対するエッチングレートが有機膜354Aに対するエッチングレート
`
`に比べて十分に遅くなるようなエッチング条件を設定することにより、パターン
`
`Page 30 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 28/ 40
`
`化された第1のシリコン酸化膜353Aに対する十分な選択比を確保できるので
`
`、配線溝362の深さを第2のシリコン酸化膜355及び有機膜354の合計膜
`
`厚により一義的に決定することができる。
`
`【0096】
`
`尚、第2のレジストパターン359が第1のレジストパターン357に対して
`
`位置ずれしている恐れがある場合には、第2のレジストパターン359をマスク
`
`として第2のシリコン酸化膜355に対してドライエッチングを行なう前に、第
`
`2のレジストパターン359をマスクとしてマスクパターン358に対するドラ
`
`イエッチングを行なうことが好ましい。すなわち、第2のレジストパターン35
`
`9が第1のレジストパターン357に対して位置ずれしているために、マスクパ
`
`ターン358が第2のレジストパターン359のコンタクトホール形成用開口部
`
`に露出している場合には、第2のレジストパターン359をマスクとしてマスク
`
`パターン358に対してドライエッチングを行なうことにより、マスクパターン
`
`358の開口部を配線溝形成用開口部及びコンタクトホール形成用開口部を含む
`
`大きさに拡大する。
`
`【0097】
`
`次に、パターン化された第1のシリコン酸化膜353Aをマスクとしてシリコ
`
`ン窒化膜352に対してドライエッチングを行なって、図17(a)に示すよう
`
`に、パターン化されたシリコン窒化膜352Aを形成すると共に、第1の金属配
`
`線351をコンタクトホール361に露出させる。
`
`【0098】
`
`次に、図17(b)に示すように、コンタクトホール361及び配線溝362
`
`の壁面に例えば50nmの膜厚を有する窒化チタン層からなる密着層363を堆
`
`積した後、コンタクトホール361及び配線溝362が埋まるように全面に亘っ
`
`て金属膜364を堆積する。金属膜364の組成は特に限定されず、銅、アルミ
`
`ニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、タングステン又はこれらの合金等を用い
`
`ることができると共に、金属膜364の堆積方法も特に限定されず、メッキ法、
`
`CVD法又はスパッタ法等を用いることができる。
`
`Page 31 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 29/ 40
`
`【0099】
`
`次に、図17(c)に示すように、パターン化された第2のシリコン酸化膜3
`
`55Aの上に堆積されている、密着層363、金属膜364及びマスクパターン
`
`358を例えばCMP法により除去して、金属膜364からなる第2の金属配線
`
`365、及び第1の金属配線351と第2の金属配線365とを接続する金属膜
`
`364からなるコンタクト366を形成する。
`
`【0100】
`
`尚、第2の金属配線365の上に、前述した工程と同様の工程を行なうことに
`
`より、多層配線構造を形成することができる。
`
`【0101】
`
`第3の実施形態の変形例によると、第1のレジストパターン357を酸素プラ
`
`ズマを用いるアッシングにより除去する際には、有機膜354の上に第2のシリ
`
`コン酸化膜355が存在しているため、有機膜354が酸素プラズマに曝される
`
`ことはない。
`
`【0102】
`
`また、第2のレジストパターン359をマスクとして、第2のシリコン酸化膜
`
`355及び有機膜354に対してドライエッチングを行なう際に、第2のレジス
`
`トパターン359が除去されるため、第2のレジストパターン359を酸素プラ
`
`ズマを用いるアッシングによって除去する必要がないので、有機膜354は酸素
`
`プラズマに曝されることがない。
`
`【0103】
`
`(第4の実施形態)
`
`以下、本発明の第4の実施形態に係る配線構造体の形成方法について、図18
`
`(a)~(c)、図19(a)~(c)及び図20(a)~(c)を参照しなが
`
`ら説明する。
`
`【0104】
`
`まず、図18(a)に示すように、半導体基板400上に形成された第1の金
`
`属配線401の上に、後に行なわれるエッチング工程において第1の金属配線4
`
`01を保護する例えば50nmの膜厚を有するシリコン窒化膜402を形成した
`
`Page 32 of 65
`
`
`
`[受付日]平10. 3.26
`[書類名]明細書
`[特許]平10-079371(10. 3.26) 頁: 30/ 40
`
`後、該シリコン窒化膜402の上に、例えば1μmの膜厚を有すると共にシロキ
`
`サン骨格を有する第1の低誘電率SOG膜403を堆積する。次に、第1の低誘
`
`電率SOG膜403の上に、例えば50nmの膜厚を有すると共にシリコン酸化
`
`物中に有機成分を含有する有機含有シリコン酸化膜404を堆積した後、該有機
`
`含有シリコン酸化膜404の上に、例えば400nmの膜厚を有すると共にシロ
`
`キサン骨格を有する第2の低誘電率SOG膜405を堆積し、その後、該第2の
`
`低誘電率SOG膜405の上に例えば50nmの膜厚を有する窒化チタン膜40
`
`6を堆積する。
`
`【0105】
`
`第1及び第2の低誘電率SOG膜403、405としては例えばHSQ膜を用
`
`いることができる。また、有機含有シリコン酸化膜404の堆積方法については
`
`、特に限定されないが、例えばフェニルトリメトキシランを主原料とする反応性
`
`ガスを用いるCVD法が挙げられる。このようにすると、シリコン酸化物中にシ
`
`リコン原子と結合したフェニル基が取り込まれた構造を有する有機含有シリコン
`
`酸化膜404が得られる。
`
`【0106】
`
`次に、図18(b)に示すように、窒化チタン膜406の上に、リソグラフィ
`
`工程により配線溝形成用開口部を有する第1のレジストパターン407を形成し
`
`た後、該第1のレジストパターン407をマスクとして窒化チタン膜406に対
`
`してドライエッチングを行なって、図18(c)に示すように、窒化チタン膜4
`
`06からなるマスクパターン408を形成する。
`
`【0107】
`
`次に、第1のレジストパターン407を除去することなく、第2の低誘