`【目的】アクチエータの位置検出器をリニアアクチエー
`タの内部に装着することができ、信頼性ある機械的なス
`トッパを備えているようなリニアアクチエータを提供す
`ること。
`【構成】電動機のロータの中心位置でこれの中心の位置
`に設けられたねじ部と螺合するアクチエータを持ち、ス
`テータとロータとからなるモータを駆動するとロータが
`回転を始める。ロータが回転するとこれに螺合するアク
`チエータが上下動を始め、アクチエータに設けた位置表
`示体がケース内部に設けた位置表示体検知部の対向部分
`を通過するとき、アクチエータの電気的な位置が確認さ
`れる。アクチエータが暴走して所定範囲を逸脱しようと
`するとき、ストッパによりアクチエータの移動は制限さ
`れる。またそのストッパが作用する位置は調整自在であ
`る。
`
`−1−
`
`KOITO 1015
`
`
`
`1
`
`【特許請求の範囲】
`【請求項1】モータの回転力をアクチエータの直線方向
`に変換するリニアアクチエータにおいて、モータを構成
`するステータと、該ステータの中央で回転自在に支持さ
`れたロータと、該ロータの回転中心線の周りに設けられ
`たねじと螺合し、ロータの回転により前記回転中心線に
`添って移動自在なアクチエータと、該アクチエータに設
`けられたアクチエータ位置を示す位置表示体と、ステー
`タと同じ固定側のケース内にあって該位置表示体を検知
`する位置表示体検知部と、前記アクチエータの動作範囲
`外にあり該アクチエータの機械的な終端位置の調整が自
`在なストッパとを具備することを特徴とするリニアアク
`チエータ。
`【請求項2】上記モータはステッピングモータであるこ
`とを特徴とする請求項1記載のリニアアクチエータ。
`【請求項3】前記位置表示体はプラスチックマグネット
`であり、前記位置表示体検知部は磁気検知素子であるこ
`とを特徴とする請求項1または請求項2記載のリニアア
`クチエータ。
`【発明の詳細な説明】
`【0001】
`【産業上の利用分野】本発明はリニアアクチエータに関
`し、特に車輌のヘッドライトの光軸調整用、詳しくは車
`輌の水平度の変化に伴う光軸の調整又は、現在使われて
`いる近/遠距離の切換を1つのランプで光軸の傾きを変
`えて達成するために用いられるリニアアクチエータに関
`する。
`【0002】
`【従来の技術】車両におけるヘッドライトの自動出し入
`れなどの操作、あるいはオフイスオートメーション用機
`器の操作などに、モータを駆動源とし、駆動体が直線的
`に移動するアクチエータが使用される。このアクチエー
`タの中には、モータの回転力を直線運動に変換するリニ
`アアクチエータも含まれる。このようなリニアアクチエ
`ータは、平板状に広げた電動機の固定子上を、やはり平
`板状に形成した可動子を移動させるようなリニアモータ
`タイプのものもあるが、通常は、モータの回転力を歯車
`機構を使用して直線運動に変換して、アクチエータを直
`線方向に駆動している。この種のリニアアクチエータを
`たとえば上記ヘッドライトの光軸方向調整用に使用した
`場合、直線方向に移動するアクチエータのストローク範
`囲内の位置を正確に割り出すことができれば光軸を任意
`の方向に設定できる。また、アクチエータの最上位位置
`または最下端位置のみを検出すれば、ヘッドライトの光
`軸位置設定に関して機械的なストッパを不要とすること
`ができる。従来は、アクチエータの位置を割り出すため
`に、リニアアクチエータのケースの外側に位置検出器を
`設けていたため、組立時に位置検出器とアクチエータと
`の位置微調整を行わなければならない。また形状も大型
`になるという欠点もある。また、従来のリニアアクチエ
`
`(2)
`
`特開平6−335228
`
`2
`ータは、信頼性のある機械的なストッパを有していなか
`った。
`【0003】
`【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
`な従来の不都合を解消しようとするものであり、その目
`的は、アクチエータの位置検出器をリニアアクチエータ
`の内部に装着することができ、信頼性ある機械的なスト
`ッパを備えているようなリニアアクチエータを提供しよ
`うとするものである。
`【0004】
`【課題を解決するための手段】上記のような本発明の目
`的を達成するために、本発明は、モータの回転力をアク
`チエータの直線方向に変換するリニアアクチエータにお
`いて、モータを構成するステータと、該ステータの中央
`で回転自在に支持されたロータと、該ロータの回転中心
`線の周りに設けられたねじと螺合し、ロータの回転によ
`り前記回転中心線に添って移動自在なアクチエータと、
`該アクチエータに設けられたアクチエータ位置を示す位
`置表示体と、ステータと同じ固定側のケース内にあって
`該位置表示体を検知する位置表示体検知部と、前記アク
`チエータの動作範囲外にあり該アクチエータの機械的な
`終端位置の調整が自在なストッパとを具備することを特
`徴とするリニアアクチエータを提供する。
`【0005】
`【作用】ステータとロータとからなるモータを駆動する
`とロータが回転を始める。ロータが回転するとこれに螺
`合するアクチエータが上下動を始め、アクチエータに設
`けた位置表示体がケース内に設けた位置表示体検知部の
`対向部分を通過するとき、アクチエータの電気的な位置
`が確認される。アクチエータが暴走して所定範囲を逸脱
`しようとするとき、ストッパによりアクチエータの移動
`は制限される。またそのストッパが作用する位置は調整
`自在である。
`【0006】
`【実施例】次に本発明の一実施例を、図面を用いて詳細
`に説明する。図1は、本発明の実施例の断面図であり、
`同図において1はアクチエータである。該アクチエータ
`1は非磁性の金属からなっており、断面凸型をした同じ
`く非磁性金属のケース2に上下方向に出入自在に配置さ
`れている。アクチエータ1の軸受部3は、ケース2の頸
`部4の内部付近で上下方向にスプライン形式で軸承され
`ている。図2は図1のA−A線に添って切断した断面図
`である。図2から分かるように、アクチエータ1の軸受
`部3はアクチエータ1の長手方向に3条の突条3’が設
`けられ、また頸部4の内方には長手方向に3条の溝4’
`が設けられて、突条3’は溝4’にスライド自在に嵌合
`している。このため、アクチエータ1は長手方向への移
`動は自在であるが、回転は不可能となる。アクチエータ
`1の下端部外周には、ねじ6が切られている。ケース2
`の内部には、ベアリング7、8に支えられて、円筒状の
`
`10
`
`20
`
`30
`
`40
`
`50
`
`−2−
`
`
`
`3
`ロータ9が、回転自在に軸承されている。ロータ9の内
`面にはアクチエータ1に切られたねじ6と噛み合うねじ
`10が切られている。また、ロータ9の外周には、リン
`グ状の2個の永久磁石11と12がローターマグネット
`として取り付けられている。ロータマグネット11とロ
`ータマグネット12の外周に位置し、少しのギャップを
`介して、磁極を含むステータコイル13と14が設けら
`れている。なお、これらロータマグネット11、12と
`ステータコイル13、14をもって周知のPM型のステ
`ッピングモータを構成している。
`【0007】ケース2の下部には取付基板15がねじ込
`みにより取り付けられている。アクチエータ1の下端に
`は該アクチエータ1の位置決めのためのストッパ16が
`配置されている。該ストッパ16は取付基板15の中央
`部にねじ込まれている。該ストッパ16は図3に示すよ
`うに、中央上部には先端にポイントストッパ17を有す
`るセッタ18が設けられ、下部にはスクリュードライバ
`の嵌合溝19を有し、かつ外周には取付基板15にねじ
`込むためのねじ部20を有する。なお、このねじ20の
`直径Rは、ロータ9の内側に設けられたねじ10の直径
`よりも大きい。21は、取付基板15の底面に嵌め込ま
`れたカバーであり、ストッパ16を保護するものであ
`る。図1、図4、図5に示すように、ケース2の肩部
`2’の内方には、磁気を検知するホール素子を用いた位
`置検知素子23が嵌め込まれている。この位置検知素子
`23は位置表示体検知部となる。位置検知素子23から
`は導線が引き出され、端子24に接続されている。アク
`チエータ3の突条3’には切込が形成され、更にアクチ
`エータ3にはこの切り込みに連通する穴が穿たれ、これ
`ら切り込みと穴には、位置表示体用のプラスチックマグ
`ネット25が嵌め込まれている。
`【0008】次に上記実施例の作用について説明する。
`別途設けたステッピングモータ駆動回路からステータコ
`イル13と14に所定の駆動用のパルスを印加すると、
`ロータ9が回転を開始する。ロータ9の回転により、こ
`れに螺合しているアクチエータ1は図1の上下方向に移
`動する。該アクチエータ1の先端はたとえば図6に示す
`ように車両のヘッドライトを取付けた基台と結合されて
`いる。そして、アクチエータ1が図6に示す前後(A)
`方向に移動を開始すれば、ヘッドライトの光軸はθ度変
`化する。又、アクチエータ1の移動の途中でロータ9の
`回転を止めればアクチエータ1はその位置で停止しヘッ
`ドライトの光放射方向を所望の方向に固定することがで
`きる。
`【0009】アクチエータ1が降下を続けると、ヘッド
`ライトを覆うカバーが閉じる。そして、プラスチックマ
`グネット25が位置検知素子23の前を通過し、位置検
`知素子23がプラスチックマグネット25の磁気を検知
`し、アクチエータ1の現在位置が検知される。図には示
`されていないが、パルスモータの駆動回路がこの信号を
`
`(3)
`
`特開平6−335228
`
`4
`受信し、たとえばアクチエータ1が電気的な終端位置に
`到達したことを検知してパルスモータの回転を停止する
`などの指令を発する。
`【00010】このときパルスモータの駆動回路が故障
`し、パルスモータの回転が止まらないようなことが発生
`すると、アクチエータ1の底部22がストッパ16のポ
`イントストッパ17に接触する。このときアクチエータ
`1はこれにより以後の降下を停止する。ストッパ16の
`ねじの直径Rは、アクチエータ1のねじの直径よりも大
`きいのに加えて、ポイントストッパ17の先端はポイン
`トタッチであるので、アクチエータ1の回転力がストッ
`パ16に伝達されず、アクチエータ1の接触でストッパ
`16のねじが緩んで取付基板15より脱落するようなこ
`とはない。そしてステッピングモータの駆動回路は、一
`定時間(所望パルス+αパルス分)のパルスをステッピ
`ングモータへ供給しその後停止し、これの回転を止め
`る。
`【0011】また、ストッパ16に底部に設けた嵌合溝
`19にスクリュードライバを嵌合させ、該スクリュード
`ライバストッパ16を回転させて、ポイントストッパ1
`7とアクチエータ1の底部22が当接する位置を替える
`と、アクチエータ1の機械的な最下端位置を変更するこ
`とができる。
`【0012】
`【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
`モータの回転力をアクチエータの直線方向に変換するリ
`ニアアクチエータにおいて、該アクチエータに位置表示
`体を設け、該アクチエータの移動を支えるケース内部に
`位置表示体検知部を設けているので、従来のようにリニ
`アアクチエータの外部に位置表示体検知部を設けたもの
`と比較して、形状を小型に形成できるばかりか、組立の
`際に位置表示体と位置表示体検知部との位置合わせも必
`要なく、さらにモータが暴走しても機械的なストッパが
`設けられてアクチエータの不要なオーバーランが生じな
`いなど、多くの効果を有する。
`【図面の簡単な説明】
`【図1】本発明にかかるリニアアクチエータの一実施例
`の部分断面図
`【図2】図1のA−A線に添って切断した断面図
`【図3】ストッパ16の断面図
`【図4】アクチエータの部分斜視図
`【図5】位置表示体と位置表示体検知部との位置関係を
`示す断面図
`【図6】リニアアクチエータの取付状態を示す側面図
`【符号の説明】
`1・・・・アクチエータ
`2・・・・ケース
`3・・・・軸承部
`3’・・・突条
`4・・・・頸部
`
`10
`
`20
`
`30
`
`40
`
`50
`
`−3−
`
`
`
`5
`
`4’・・・溝
`6・・・・ねじ
`7・・・・ベアリング
`8・・・・ベアリング
`9・・・・ロータ
`10・・・・ねじ
`11・・・・ロータマグネット
`12・・・・ロータマグネット
`13・・・・ステータコイル
`14・・・・ステータコイル
`15・・・・取付基板
`
`(4)
`
`特開平6−335228
`
`6
`
`16・・・・ストッパ
`17・・・・ポイントストッパ
`18・・・・セッタ
`19・・・・嵌合溝
`20・・・・ねじ
`21・・・・カバー
`22・・・・底部
`23・・・・位置検知素子
`24・・・・端子
`25・・・・プラスチックマグネット
`
`10
`10
`
`【図1】
`
`【図2】
`
`【図4】
`
`【図3】
`
`【図5】
`
`−4−
`
`
`
`(5)
`
`【図6】
`
`特開平6−335228
`
`
`
`─────────────────────────────────────────────────────
`フロントページの続き
`
`(72)発明者 中俣 廣人
` 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ
` ア株式会社開発技術センター内
`
`(72)発明者 井口 喬裕
` 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ
` ア株式会社開発技術センター内
`
`−5−