`【目的】 部分によって明るさに差異がなく、しかも均
`一照明が得られる薄型の液晶表示素子のバックライト装
`置を提供することである。
`【構成】 複数個のLEDを一列に直列接続してなる樹
`脂モールド化LEDランプ10と、ランプ10の発光側
`に配置されたライトコンダクタ11と、ランプ10を取
`付けたライトコンダクタ11を収容するリフレクタ12
`とを備え、ライトコンダクタ11の表面はシボ加工が施
`されたシボ面11aであり、裏面には光の進行方向に延
`伸する三角形断面の凹状光路11bが形成されている。
`【作用】 LEDランプ10からの光は、凹状光路11
`bによってライトコンダクタ11の隅々まで導かれると
`共に、リフレクタ12とシボ面11aによって拡散・放
`射される。
`
`Sony Corp. Exhibit 1024
`
`SONY_000976
`
`
`
`(2)
`
`特開平6−230378
`
`【特許請求の範囲】
`【請求項1】列状に接続した複数個の発光素子からなる
`光源と、この光源の発光側に設けられ、表面が発光面
`で、光源からの光を導く平板状のライトコンダクタと、
`ライトコンダクタの裏面に配置されたリフレクタとを備
`え、前記ライトコンダクタの表面をシボ面に加工し、裏
`面に光の進行方向に延伸する多数の凹状光路を形成して
`なることを特徴とする液晶表示素子のバックライト装
`置。
`【発明の詳細な説明】
`【0001】
`【産業上の利用分野】本発明は、照明光源を必要とする
`液晶表示素子のバックライト装置、詳細には光源の光を
`発光面に対して横方向(平行方向)から導くサイドライ
`ト方式のバックライト装置に関する。
`【0002】
`【従来の技術】液晶表示素子(LCD)のバックライト
`装置は、電卓、デジタル時計、パーソナルコンピュー
`タ、パーソナルワープロ等の各種機器に内蔵されたLC
`Dの照明光源として広く使用されている。このバックラ
`イト装置として、複数個の発光素子〔例えば発光ダイオ
`ード(LED〕を一定間隔を置いて接続してなる光源
`と、光源の発光側に設けられたライトコンダクタ(導光
`板)とを備えるサイドライト方式がある。サイドライト
`方式のバックライト装置では、一般にライトコンダクタ
`は、表面が発光面で、それ以外の面(裏面及び側面)が
`反射面になっている。このようなバックライト装置で
`は、光源からの光はライトコンダクタによって分散さ
`れ、最終的に発光面から放射される。又、光をより効率
`的に拡散させるために、発光面の内側にシボ(梨地)加
`工を施したり、発光面の外側に透光性の拡散シートを貼
`付したりする場合もある。
`【0003】
`【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
`来のようなバックライト装置では、LEDの光は光源に
`近いほど明るく光源から遠くなるほど暗くなるという関
`係があり、これを解決するために、リフレクタ(反射
`板)等を用いて光を拡散させ、均一照明が得られるよう
`工夫した装置も提供されているが、ライトコンダクタの
`発光面の中央部と周辺部との明るさの差異(周辺部の方
`が暗くなる欠点)は依然解消されていない。
`【0004】又、均一照明を得るための1つの方策とし
`て、LEDの数を増やしたり、LEDの印加電圧を上げ
`たりするなどして、照度を高めることも行われている
`が、この場合、光源の発熱量が増加するばかりか、光源
`の劣化が早まる。この他、ライトコンダクタやリフレク
`タに仕切り板等を設けて、均一で鮮明な照度を得るため
`の工夫もなされているが、いずれも構造が複雑になり、
`光の透過率が著しく減少してしまう。
`【0005】更に、従来のバックライト装置では、厚さ
`
`が2.5〜6.0mmであり、特に厚さ2mm以下とす
`ることは困難である。従って、本発明は、上記種々の問
`題点に着目してなされたもので、部分によって明るさに
`差異がなく、しかも均一照明が得られる薄型の液晶表示
`素子のバックライト装置を提供することを目的とする。
`【0006】
`【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
`に、本発明の液晶表示素子のバックライト装置は、列状
`に接続した複数個の発光素子からなる光源と、この光源
`の発光側に設けられ、表面が発光面で、光源からの光を
`導く平板状のライトコンダクタと、ライトコンダクタの
`裏面に配置されたリフレクタとを備え、前記ライトコン
`ダクタの表面をシボ面に加工し、裏面に光の進行方向に
`延伸する多数の凹状光路を形成してなることを特徴とす
`るものである。
`【0007】
`【作用】光源から出射した光の大部分は、ライトコンダ
`クタ内部に入射し、内部を方々に分散されながら進行す
`る。又、光の一部は、ライトコンダクタの裏面に設けら
`れた凹状光路を通過する過程で光路によって分光・拡散
`され、更にリフレクタによって乱反射され、光分散が行
`われる。ライトコンダクタの発光面に向かう直接光及び
`分散反射光は、発光面を通過する際にシボ面によって最
`終的に分散・放射される。
`【0008】つまり、本発明のバックライト装置におい
`ては、凹状光路によって光がライトコンダクタの隅々ま
`で満遍なく導かれることと、リフレクタの反射効果とシ
`ボ面の拡散効果との相乗効果とにより、高輝度で発光ム
`ラのない均一な照明光源が得られる。
`【0009】
`【実施例】以下、本発明のバックライト装置を実施例に
`基づいて説明する。一実施例に係るバックライト装置
`を、例えば液晶ディスプレイに液晶表示素子(LCD)
`用照明光源として組み込んだ分解斜視図を図1に、その
`要部断面図を図2に示す。この例では、バックライト装
`置1は適当な大きさの回路基板2上に実装され、バック
`ライト装置1上に載置させて液晶装置3が回路基板2に
`取付けられ、更に液晶装置3を覆うようにカバー4が回
`路基板2に装着されている。
`【0010】バックライト装置1は、その詳細は後述す
`るが、発光素子として複数個のLEDが一列に直列接続
`された樹脂モールド化LEDランプ(光源)10と、こ
`のLEDランプ10の発光側に設けられ、光の進行方向
`に延伸する平板状のライトコンダクタ(導光板)11
`と、ライトコンダクタ11の発光面以外の面(側面及び
`裏面)を包囲するリフレクタ(反射板)12とで構成さ
`れ、LEDランプ10は回路基板2の配線パターン(図
`示せず)に接続されている。
`【0011】なお、液晶装置3は、LCD30を2枚の
`偏光板31,32で挟持した構造になっており、LCD
`
`SONY_000977
`
`
`
`(3)
`
`特開平6−230378
`
`30には回路基板2の配線パターンに接続するためのコ
`ネクタ33が取付けられている。この液晶装置3は、従
`来通りのもので、本発明の要旨ではないから詳細は省略
`する。バックライト装置1の平面図を図3の(a)に、
`(a)の線A−Aにおける断面図を図3の(b)に、分
`解斜視図を図4に示す。LEDランプ10は、前述した
`ように複数個のLEDを一列に直列接続して樹脂モール
`ド化したもので、図面には特に示していないが、これは
`例えばLEDチップを実装したリードフレームを利用
`し、リードフレームとLEDチップをAuワイヤで接続
`すると共に、隣接のリードフレーム同士をAuワイヤで
`接続し、全体を樹脂モールドすればよい。
`【0012】このようなLEDランプ10は、この実施
`例では、ライトコンダクタ11の端部に嵌挿される(図
`4参照)。ライトコンダクタ11の発光面11aは、図
`4に一部だけ示すように、シボ(梨地)加工が施された
`シボ面になっており、このシボ面11aは、ライトコン
`ダクタ11によって導かれた光が最終的に発光面11a
`を通過する時に光を拡散する作用を行う。
`【0013】ライトコンダクタ11の裏面(発光面の反
`対側の面)には、LEDランプ10の近傍からその対向
`端部まで発光の進行方向に延びる多数の凹状光路11b
`が形成されている。この実施例では、凹状光路11bは
`断面形状が三角形を呈するものであり(図6参照)、こ
`の凹状光路11bによってライトコンダクタ11の裏面
`は波状になっている。従って、凹状光路11bとリフレ
`クタ12とにより、両者の間に間隙が形成され、この間
`隙が実質的な光路となり、この光路11bによって光が
`LEDランプ10からより遠くに安定して供給される。
`【0014】リフレクタ12は、LEDランプ10を取
`付けたライトコンダクタ11を収容する収容部12aを
`有し、この収容部12aにライトコンダクタ11が嵌め
`込まれる。収容部12aの内面は反射面になっており、
`ライトコンダクタ11の側面及び裏面から出る光を反射
`する。次に、上記のように構成したバックライト装置1
`の作用について、図5(凹状光路11bを縦断する断面
`図)及び図6(凹状光路11bを横断する断面図)を参
`照して述べる。LEDランプ10から出射された光の大
`部分は、ライトコンダクタ11の内部を進行しつつ、方
`々に分散される。残りの光は、ライトコンダクタ11の
`裏面の光路11bに進入し、波状の光路11bにより分
`光・拡散され、更にリフレクタ12によって乱反射さ
`れ、光分散が行われる。勿論、ライトコンダクタ11を
`通過してリフレクタ12に達した光は、リフレクタ12
`によって反射される。そして、ライトコンダクタ11の
`発光面に進む直接光及び分散反射光は、発光面を通過す
`る時にシボ面11aにより最終的に分散・放射される。
`【0015】このようにLEDランプ10からの光の一
`部が凹状光路11bによって有効発光面全体に隈なく行
`き渡ることに加えて、リフレクタ12の反射効果とシボ
`
`面11aの拡散効果との相乗効果により、高輝度でムラ
`の無い均一な発光が得られ、優れた照明光源が提供され
`る。この結果、液晶装置3のLCD30の全体に均一に
`光が照射され、LCD30の部分によって明暗が生ずる
`ような不都合が起こらなくなる。
`【0016】上記実施例では、ライトコンダクタ11の
`裏面に形成した凹状光路11bの断面形状は、図7の
`(a)に示すような三角形であるが、光路として機能す
`る限りこれに限定されることはなく、図7の(b)の円
`形状、(c)の六角形状、(d)の四角形状などの断面
`形状でもよい。なお、ライトコンダクタ11の奥行き寸
`法を大きくして、即ち凹状光路11bの延伸方向の長さ
`を長くして有効発光面積を増やすには、例えばライトコ
`ンダクタ11の両側にもLEDランプを配すればよく、
`こうすることで均一な発光を損なうことなく奥行きを6
`5mm程度まで延ばすことが可能となる。
`【0017】また、上記実施例では、光源としてLED
`ランプを使用する場合について説明したが、本発明はこ
`れに限ることなく、EL、白光ランプ等のほかの発光素
`子を使用してもよいことはいうまでもない。
`【0018】
`【発明の効果】本発明の液晶表示素子のバックライト装
`置は、以上説明したように構成されるため、下記の効果
`を有する。
`(1)ライトコンダクタの表面がシボ面で、裏面には凹
`状光路が形成されているため、光源からの光が光路によ
`って有効発光面全体に満遍なく届くと共に、リフレクタ
`の反射効果とシボ面の拡散効果との相乗効果によって光
`が効率良く分散・放射され、発光面の中央部と周辺部で
`の明るさの差異は解消され、高輝度でムラの無い均一な
`発光の照明光源が得られる。
`(2)発光素子の数を増やしたり印加電圧を上げたりす
`る必要がなく、またライトコンダクタやリフレクタに仕
`切り板等を設ける必要もないので、光源の発熱量増加や
`光源の劣化促進が起こらず、構造も単純で光の透過率の
`著しい減衰現象もみられない。
`(3)ライトコンダクタの凹状光路、ライトコンダクタ
`のシボ面、及びリフレクタによって光を拡散放射させる
`構造であるため、装置の薄型化が可能であり、厚さ2.
`5mm(特に2.0mm)以下のものも実現できる。
`【図面の簡単な説明】
`【図1】本発明の一実施例に係るバックライト装置を照
`明光源として組み込んだ液晶ディスプレイの分解斜視図
`である。
`【図2】図1に示す液晶ディスプレイの要部断面図であ
`る。
`【図3】一実施例に係るバックライト装置の平面図
`(a)、及び(a)の線A−Aにおける断面図(b)で
`ある。
`【図4】図3に示すバックライト装置の分解斜視図であ
`
`SONY_000978
`
`
`
`(4)
`
`特開平6−230378
`
`る。
`【図5】図3に示すバックライト装置の作用を説明する
`ための図である。
`【図6】図3に示すバックライト装置の作用を説明する
`ための図である。
`【図7】図3に示すバックライト装置におけるライトコ
`ンダクタの凹状光路の形状を示す断面図(a)、及びそ
`の変更例を示す断面図(b)、(c)、(d)である。
`
`【符号の説明】
`1 液晶表示素子のバックライト装置
`10 LEDランプ(光源)
`11 ライトコンダクタ
`11a シボ面(発光面)
`11b 凹状光路
`12 リフレクタ
`
`【図1】
`
`【図2】
`
`【図3】
`
`【図6】
`
`SONY_000979
`
`
`
`(5)
`
`特開平6−230378
`
`【図4】
`
`【図5】
`
`【図7】
`
`SONY_000980