`
`(12)公開特許公報(A)
`
`(11)特許出願公開番号
`
`特開2000−56737
`
`(P2000−56737A)
`(43)公開日 平成12年2月25日(2000.2.25)
`
`7
`
`テーマコート゛ (参考)
`(51)Int.Cl. 識別記号 FI
` G09G 3/36 G09G 3/36 2H093
` G02F 1/133 505 G02F 1/133 505 5C006
` H04N 5/66 102 H04N 5/66 102 B 5C058
`
`審査請求 未請求 請求項の数4 OL (全9頁)
`
`(71)出願人 000003078
` 株式会社東芝
` 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地
`(72)発明者 芹田 洋昭
` 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式
` 会社東芝深谷工場内
`(74)代理人 100076233
` 弁理士 伊藤 進
`
`最終頁に続く
`
`(21)出願番号 特願平10−221901
`
`(22)出願日 平成10年8月5日(1998.8.5)
`
`(54)【発明の名称】液晶パネルの輝度ムラ補正装置
`
`(57)【要約】
`【課題】 液晶パネルの液晶層厚さムラ(ギャップム
`ラ)に起因する輝度ムラの発生を抑えることができる液
`晶パネルの輝度ムラ補正装置を提供すること。
`【解決手段】 液晶パネルの液晶層厚さムラに起因する
`輝度ムラを補正するための補正信号を生成する補正回路
`50を設ける。この補正回路50では、液晶パネルの水
`平方向の中央ほど振幅が大きく、またこの信号を垂直方
`向に見ると垂直方向の中央ほど振幅が大きくなるような
`なだらかな変化の補正信号を発生する。入力映像信号に
`対して前記補正回路50からの補正信号を加算手段51
`にて加算した後、交流駆動のための信号処理等を行って
`液晶パネル部10に供給する。このように、液晶パネル
`の入力映像信号に補正信号を重畳する構成とすることに
`より、輝度ムラを補正することができる。
`
`1
`
`Inter Partes Review of RE 43,707
`IPR 2014-00778
`Exhibit 1027
`
`
`
`1
`
`【特許請求の範囲】
`【請求項1】 入力映像信号に基づく映像を表示するた
`めの液晶パネルと、
`前記液晶パネルに前記映像を表示するための信号処理及
`び表示処理を行うのに必要なタイミング信号を発生する
`タイミング回路と、
`液晶パネルの液晶層厚さムラに起因する輝度ムラを補正
`する補正信号を生成する回路であって、液晶パネルの水
`平方向の中央ほど振幅が大きく、またこの信号を垂直方
`向に見ると垂直方向の中央ほど振幅が大きくなるような
`なだらかな変化の補正信号を生成する補正回路と、
`前記入力映像信号に対して前記補正回路からの補正信号
`を加算する加算手段と、 を具備したことを特徴とする
`液晶パネルの輝度ムラ補正装置。
`【請求項2】 入力映像信号に基づく映像を表示するた
`めの液晶パネルと、
`前記液晶パネルに前記映像を表示するための信号処理及
`び表示処理を行うのに必要なタイミング信号を発生する
`タイミング回路と、
`液晶パネルの液晶層厚さムラに起因する輝度ムラを補正
`する補正信号を生成する回路であって、液晶パネルの水
`平方向の中央ほど振幅が大きく、またこの信号を垂直方
`向に見ると垂直方向の中央ほど振幅が大きくなるような
`なだらかな変化の補正信号を生成する補正回路と、
`前記液晶パネルの画素共通電極の電圧(コモン電圧)に
`対して前記補正回路からの補正信号を加算する加算手段
`と、
`を具備したことを特徴とする液晶パネルの輝度ムラ補正
`装置。
`【請求項3】 前記液晶パネルが1水平期間毎の極性反
`転駆動方式の映像信号で駆動される場合、入力映像信号
`を1水平期間毎に極性反転する信号処理の前の段階で、
`前記入力映像信号に対して前記補正回路からの補正信号
`を加算することを特徴とする請求項1記載の液晶パネル
`の輝度ムラ補正装置。
`【請求項4】 前記液晶パネルが1水平期間毎の極性反
`転駆動方式の映像信号で駆動される場合、前記補正回路
`から前記液晶パネルの画素共通電極の電圧(コモン電
`圧)に対して加算する補正信号についても、1水平期間
`毎の極性反転を行うことを特徴とする請求項2記載の液
`晶パネルの輝度ムラ補正装置。
`【発明の詳細な説明】
`【0001】
`【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルの液晶
`層厚さムラ(ギャップムラ)に起因する輝度ムラを補正
`する液晶パネルの輝度ムラ補正装置に関する。
`【0002】
`【従来の技術】近年、液晶を用いた表示装置が普及して
`いる。例えば、ポケット液晶テレビジョン受像機、ラッ
`プトップ型コンピュータ用ディスプレイ装置及び液晶プ
`
`( 2 )
`
`特開2000−56737
`2
`ロジェクタ等が製品化されている。
`【0003】特に、大画面で小型・軽量のディスプレイ
`装置の要求に伴い、液晶パネルを用いた液晶プロジェク
`タの開発が盛んに行われている。液晶プロジェクタは大
`画面化が容易であること等から、高品位テレビジョン用
`としても期待されている。液晶プロジェクタでは、周知
`のように、液晶パネルをライトバルブとして用いてお
`り、光源からの光の透過率を映像信号に応じて変化させ
`ることで画像を表示し、この画像を投射レンズ等の光学
`10 系によりスクリーン上に拡大して表示させる。
`10
`【0004】ところで、液晶プロジェクタにおいては、
`1枚の液晶パネルを使用する単板式と3枚の液晶パネル
`を使用する3板式とがある。単板式は構成が簡単であ
`り、低コスト化することができる。しかし、単板式にカ
`ラーフィルタを採用してカラー化しようとすると、解像
`度が劣化してしまう。このため、現在では3板式が主流
`となっている。3板式液晶プロジェクタでは、各画素に
`薄膜トランジスタ(以下、TFTという)等のスイッチ
`ング素子を有するアクティブマトリクス方式の白黒の液
`20 晶パネルを使用している。
`20
`【0005】3板式の液晶プロジェクタにおいては、光
`源からの光を一度R(赤),G(緑),B(青)の3原
`色に分解してから各色用の液晶パネルに入射させ、各色
`用の液晶パネルを通過した3原色光を再び合成してカラ
`ー画像を形成するように構成されている。
`【0006】最近では、パーソナルコンピュータのプレ
`ゼンテーションツールとしての液晶データプロジェクタ
`が注目されており、このような液晶データプロジェクタ
`は、様々な使用環境に適応させることを考慮すると、画
`30 面の明るさや高解像度の点で、上述の3板式による構造
`30
`が適している。
`【0007】通常、上記液晶データプロジェクタに使用
`される液晶パネルにおいては、入力映像信号に基づく映
`像を正確に再現するために、入力映像信号に対し液晶パ
`ネルを駆動するのに必要な電圧まで増幅させたり、液晶
`の長寿命化のための交流駆動を行う等の機能を有する液
`晶駆動回路が用いられている。
`【0008】図9はこのような従来の3板式液晶データ
`プロジェクタに用いられる液晶駆動回路の一例を示すブ
`40 ロック図である。
`40
`【0009】図9に示すように、液晶データプロジェク
`タは、例えば3つのアクティブ マトリックス方式の液
`晶パネル部10,20,30を備えている。各液晶パネ
`ル部10,20,30はそれぞれ、液晶パネル,水平駆
`動部(サンプル・ホールド回路及び水平ドライバ回
`路),垂直駆動部(垂直ドライバ回路)を含んでいる。
`液晶パネル部10は、赤(R)の画像を形成し、液晶パ
`ネル部20は緑(G)の画像を形成し、また液晶パネル
`部30は青(B)の画像を形成するものである。液晶パ
`50 ネル部10には、R色の映像信号(以下R信号)が入力
`50
`
`2
`
`
`
`3
`端子11,映像処理回路12及び交播回路13より供給
`され、液晶パネル部20には、G色の映像信号(G信
`号)が、入力端子21,映像処理回路22及び交播回路
`23より供給され、液晶パネル部30には、B色の映像
`信号(B信号)が入力端子31,映像処理回路32及び
`交播回路33より供給されるようになっており、また、
`各色映像信号を表示するのに必要なクロック及び各種タ
`イミングパルスがタイミング回路40から供給されるよ
`うになっている。
`【0010】映像処理回路は12,22,32はそれぞ
`れ、R,G,Bの入力映像信号を増幅,ガンマ補正及び
`クランプ処理するための回路である。交播回路13,2
`3,33はそれぞれ、R,G,Bの映像信号を1ライン
`(即ち1水平期間)毎に信号の交流及び直流電圧ともに
`極性反転し、液晶の交流駆動を行う。すなわち、基板の
`0Vに対して例えば+4Vに保たれた各液晶パネルの画
`素共通電極(コモン端子)10a,20a,30aの各
`直流レベルE1 ,E2 ,E3 を中心にして各色の映像信
`号を極性反転する。これにより、各液晶パネルにおける
`各色映像信号による平均直流レベルの変化をキャンセル
`して、常に一定の直流レベルで駆動するようにしてい
`る。タイミング回路40は、入力端子41から入力され
`る水平(H),垂直(V)の同期信号から、交播回路1
`3,23,33の切換えパルスfH及び液晶パネル部1
`0,20,30を駆動するためのタイミング信号を生成
`している。
`【0011】ところで、液晶パネルは図10のような構
`造をしており、2枚のガラス基板101 ,102 の間に液晶
`100 を封じ込めている。また、平面的に見ると、図11
`のような構造となっている。液晶で構成される画素と、
`この画素に水平駆動部からのサンプル・ホールド画素信
`号を供給するための電界効果トランジスタ(FET)な
`どの薄膜トランジスタ(TFT)と、このTFTのソー
`スに水平駆動部からのサンプル・ホールドした画素信号
`を供給するソース線と、TFTのゲートに垂直駆動部か
`らの走査信号を供給するゲート線とを含んでいる。
`【0012】図10に示す液晶構造において、液晶層の
`厚さが一定でないと、輝度ムラとして表れる。輝度ムラ
`の出方は、図12及び図13のようである。
`【0013】図12は、横軸に入力電圧を、縦軸に明る
`さ(輝度)をとり、縦軸の入力電圧をコモン電圧とし、
`このコモン電圧を最大値として入力電圧を変化した場合
`における液晶層の明るさの変化を示してある。ソース線
`に同じ入力電圧を供給しても、液晶層の厚さによって明
`るさが異なっている。液晶層の厚さが厚いと、明るさは
`明るくなり、液晶層の厚さが薄いと、明るさは暗くなっ
`ている。これを、ギャップムラによる輝度ムラと呼んで
`いる。
`【0014】この輝度ムラを無くすために、一般的に液
`晶の厚さを直径とする球形の支柱(パールビーズと呼ば
`
`( 3 )
`
`特開2000−56737
`4
`れる)を液晶に混ぜて液晶層の厚さを一定にしている。
`しかしながら、このパールビーズは場所を選ばないた
`め、画素上にも存在し、このためパールビーズの存在が
`見えるという欠点がある。特に、小形の液晶パネルで
`は、画素(電極)の大きさが20μm×20μm程度であ
`り、またパールビーズの直径が5μm程度であるため、
`画素(電極)に対してパールビーズが大きすぎるために
`パールビーズを省略せざるを得ない。この省略の結果、
`液晶パネルには構造的な変形をもたらし、図13に示す
`10 ように液晶パネルにおいて画面中央ほど凹み(又は出っ
`10
`張り)易くなり、画面中央ほど暗い(又は明るい)輝度
`ムラとして表れるという問題があった。
`【0015】
`【発明が解決しようとする課題】上記の如く、小形の液
`晶パネルでは、支柱(パールビーズ)を省略せざるを得
`ないため、液晶パネルの構造的な変形に基づき、輝度む
`らを発生するという問題があった。
`【0016】そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、液
`晶パネルの液晶層厚さムラ(ギャップムラ)に起因する
`20 輝度ムラの発生を抑えることができる液晶パネルの輝度
`20
`ムラ補正装置を提供することを目的とするものである。
`【0017】
`【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
`る液晶パネルの輝度ムラ補正装置は、入力映像信号に基
`づく映像を表示するための液晶パネルと、前記液晶パネ
`ルに前記映像を表示するための信号処理及び表示処理を
`行うのに必要なタイミング信号を発生するタイミング回
`路と、液晶パネルの液晶層厚さムラに起因する輝度ムラ
`を補正する補正信号を生成する回路であって、液晶パネ
`30 ルの水平方向の中央ほど振幅が大きく、またこの信号を
`30
`垂直方向に見ると垂直方向の中央ほど振幅が大きくなる
`ようななだらかな変化の補正信号を生成する補正回路
`と、前記入力映像信号に対して前記補正回路からの補正
`信号を加算する加算手段とを具備したことを特徴とす
`る。
`【0018】請求項1の発明によれば、液晶パネルの入
`力映像信号に補正信号を重畳する構成として、輝度ムラ
`を補正することができる。
`【0019】請求項2記載の発明による液晶パネルの輝
`40 度ムラ補正装置は、入力映像信号に基づく映像を表示す
`40
`るための液晶パネルと、前記液晶パネルに前記映像を表
`示するための信号処理及び表示処理を行うのに必要なタ
`イミング信号を発生するタイミング回路と、液晶パネル
`の液晶層厚さムラに起因する輝度ムラを補正する補正信
`号を生成する回路であって、液晶パネルの水平方向の中
`央ほど振幅が大きく、またこの信号を垂直方向に見ると
`垂直方向の中央ほど振幅が大きくなるようななだらかな
`変化の補正信号を生成する補正回路と、前記液晶パネル
`の画素共通電極の電圧(コモン電圧)に対して前記補正
`50 回路からの補正信号を加算する加算手段とを具備したこ
`50
`
`3
`
`
`
`5
`
`とを特徴とする。
`【0020】請求項2の発明によれば、液晶パネルの画
`素共通電極に供給するコモン電圧に補正信号を重畳する
`構成として、輝度ムラを補正することができる。
`【0021】請求項3記載の発明は、請求項1記載の液
`晶パネルの輝度ムラ補正装置において、前記液晶パネル
`が1水平期間毎の極性反転駆動方式の映像信号で駆動さ
`れる場合、入力映像信号を1水平期間毎に極性反転する
`信号処理の前の段階で、前記入力映像信号に対して前記
`補正回路からの補正信号を加算することを特徴とする。
`【0022】請求項4記載の発明は、請求項2記載の液
`晶パネルの輝度ムラ補正装置においては、前記液晶パネ
`ルが1水平期間毎の極性反転駆動方式の映像信号で駆動
`される場合、前記補正回路から前記液晶パネルの画素共
`通電極の電圧(コモン電圧)に対して加算する補正信号
`についても、1水平期間毎の極性反転を行うことを特徴
`とする。
`【0023】
`【発明の実施の形態】発明の実施の形態について図面を
`参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の液晶
`パネルの輝度ムラ補正装置のブロック図を示している。
`なお、3板式液晶データプロジェクタに用いられる液晶
`駆動回路では、図9に示したようにR,G,Bの3つの
`駆動回路系を要するが、R,G,B用の各駆動回路系は
`同様な構成となっているため説明簡略化のため、本実施
`の形態では、R用の液晶駆動回路系についてのみ説明す
`る。
`【0024】本実施の形態で、図9の従来例と異なる点
`は、映像処理回路12と交播回路13との間に加算器5
`1と補正回路50を設けた構成とし、加算器51の一方
`の入力端に供給される映像信号に対して補正回路50か
`らの補正信号を加算する構成としている。
`【0025】入力端子11に入力されるR用映像信号
`は、映像処理回路12を経て加算器51の一方の入力端
`に供給される。映像処理回路12は、R入力映像信号を
`増幅,ガンマ補正及びクランプ処理するための回路であ
`る。加算器51のもう一方の入力端には、後述する補正
`回路50からの補正信号が供給されるようになってい
`る。
`【0026】補正回路50は、液晶パネル部10の液晶
`パネル厚さムラに起因する輝度ムラを補正する補正信号
`を生成するための回路であって、液晶パネルの水平方向
`の中央ほど振幅が大きく、またこの信号を垂直方向に見
`ると垂直方向の中央ほど振幅が大きくなるようななだら
`かな変化の補正信号を発生する。
`【0027】加算器51では、図2に示すように映像処
`理された入力映像信号に対して補正信号を加算し、この
`補正信号を加算した映像信号を交播回路13に入力する
`ようになっている。
`【0028】交播回路13は、R用映像信号を1水平期
`
`( 4 )
`
`特開2000−56737
`6
`間毎に前記補正された映像信号の交流及び直流電圧とも
`に極性反転し、液晶の交流駆動を行う。すなわち、基板
`の0Vに対して例えば+4Vに保たれた液晶パネルのコ
`モン電極10aの直流レベルE1 に対して前記補正され
`た映像信号を極性反転する。交播回路13における1水
`平期間毎の極性反転はタイミング回路13からの切換パ
`ルスfH を用いて行われる。そして、交播回路13から
`出力される1水平期間毎に極性反転した映像信号は、液
`晶パネル部10に入力される。
`10 【0029】液晶パネル部10は、R用の交播回路13
`10
`からの1水平期間毎の極性反転された信号を入力しサン
`プル・ホールドするサンプル・ホールド回路と、サンプ
`ル・ホールドされた信号を液晶パネルを駆動するのに必
`要な電圧まで増幅し、液晶パネルの各画素の信号線(ソ
`ース線)に供給する水平ドライバ回路と、R用の映像を
`形成する液晶パネルとで構成されており、この液晶パネ
`ル部10には、RGBの3原色信号の内、Rの映像信号
`が、R用交播回路13より供給されるようになってい
`る。また、このR用交播回路13からの出力信号を表示
`20 するのに必要なクロック及びタイミングパルスがタイミ
`20
`ング回路40から供給されるようになっている。
`【0030】タイミング回路40は、入力端子41から
`入力される水平(H),垂直(V)同期信号から、交播
`回路13への切換パルスfH 及び液晶パネル10を駆動
`するためのクロック及びタイミングパルスを生成する一
`方、補正回路50で生成する補正信号を入力映像信号の
`映像期間に対してタイミング合わせするためのタイミン
`グ信号を生成する。
`【0031】図3は上記交播回路13の構成例を示すも
`30 のである。加算器51からの補正信号を加算した映像信
`30
`号は、反転アンプQ1 と正転アンプQ2 とに供給され、
`これらの反転アンプQ1 と正転アンプQ2 によって、正
`極性,負極性の2種類の映像信号が形成される。形成さ
`れたこれら映像信号は、スイッチ手段SWの対応する入
`力端a,bに供給される。そして、スイッチ手段SW
`は、タイミング回路40から供給される切換信号fH に
`基づいて入力端a,bを1水平期間毎にスイッチング
`し、これにより出力端cの出力は1水平期間毎に正極
`性,負極性に切り換えられた映像信号となる。つまり、
`40 液晶パネル部10の1H極性反転駆動方式に対応した映
`40
`像信号が得られることになる。
`【0032】次に、上記構成の装置の動作について、図
`4を参照しながら説明する。図4において、(a) は入力
`端子11の入力映像信号、(b) は補正回路50からの補
`正信号、(c) は前記(a) の信号を増幅等した信号に対し
`て前記(b) の補正信号を加算した加算出力、(d) は交播
`回路13における反転アンプQ1 と正転アンプQ2 によ
`ってそれぞれ生成される正極性,負極性の2種類の映像
`信号、(e) はタイミング回路40からの1水平期間毎の
`50
`50 切換パルスfH 、(f) は前記(d) のQ1 ,Q2 の2種類
`
`4
`
`
`
`7
`の映像信号を、スイッチ手段SWで前記(e) の切換パル
`スfHを用いて切り換えた交播出力、をそれぞれ示して
`いる。
`【0033】入力映像信号(a) は映像処理回路12で増
`幅等の映像処理がなされる。補正回路50では、入力端
`子41からの水平,垂直同期信号に基づき1水平期間ご
`との補正信号(b) を生成する。加算器51では、映像処
`理回路12からの信号と補正信号(b) とを加算した信号
`(c) を出力する。交播回路13では、切換パルス(e)を
`用いて信号(c) を1水平期間毎に極性反転した映像信号
`(f) を生成して、液晶パネル部10に供給する。
`【0034】図5は、液晶パネルに生じるギャップムラ
`に起因した輝度ムラに対応して、これをキャンセルする
`ための補正信号の出し方を説明する図である。
`【0035】図5において、(a) は液晶パネルにおける
`液晶層厚さムラ(ギャップムラ)を示している。ギャッ
`プムラの出方は、図では中央ほど凹んでいる。(或い
`は、ギャップムラは、中央ほど出っ張る。)(b) は前記
`(a) のギャップムラに起因して画面上に生じる輝度ムラ
`を示している。画面中央ほど暗くなる。(或いは、画面
`中央ほど明るくなる。)(c) は補正回路50による補正
`信号の出し方を示している。画面のほぼ中央では、図4
`(b) で示したような補正信号を生成して加算器51に供
`給するが、画面の上部及び下部では、輝度ムラがないた
`め特に補正した信号を生成しない。従って、補正回路5
`0としては、液晶パネルの水平方向の中央ほど振幅が大
`きく、またこの信号を垂直方向に見ると垂直方向の中央
`ほど振幅が大きくなるようななだらかな変化の補正信号
`を生成する回路が必要となる。補正信号の生成は、ギャ
`ップムラの形態つまり輝度ムラの形態にできるだけ適合
`するように生成することにより、輝度ムラをより高い精
`度でキャンセルすることが可能となる。
`【0036】図6は本発明の他の実施の形態の液晶パネ
`ルの輝度ムラ補正装置のブロック図を示している。ここ
`でも、R,G,B用の駆動回路系は同様であるので、R
`用の駆動回路系のみを示し、G,B用の駆動回路系につ
`いては説明を省略する。
`【0037】本実施の形態では、輝度ムラをコモン電圧
`で補正する構成を示しており、図9の従来例に示したコ
`モン電圧E1 を、補正回路60と交播回路61によって
`生成した補正信号(f) によって1水平期間毎に補正して
`いる。その他の構成は図9と同様である。
`【0038】入力端子11に入力されるR用映像信号
`は、映像処理回路12を経て交播回路13に供給され
`る。映像処理回路12は、R入力映像信号を増幅,ガン
`マ補正及びクランプ処理するための回路である。交播回
`路13は、Rの映像信号を1水平期間毎に映像信号の交
`流及び直流電圧ともに極性反転し、液晶の交流駆動を行
`う。すなわち、基板の0Vに対して例えば+4Vに保た
`れた液晶パネルの画素共通電極10aの電圧に対し前記
`
`( 5 )
`
`特開2000−56737
`8
`て映像処理された映像信号を極性反転する。交播回路1
`3における極性反転はタイミング回路13からの切換パ
`ルスfH を用いて行われる。交播回路13からの1水平
`期間毎に極性反転した映像信号は、液晶パネル部10に
`供給される。
`【0039】補正回路60は、図1における補正回路5
`0と同様に、液晶パネル部10の液晶層厚さムラに起因
`する輝度ムラを補正する補正信号を生成するための回路
`であって、液晶パネルの水平方向の中央ほど振幅が大き
`10 く、またこの信号を垂直方向に見ると垂直方向の中央ほ
`10
`ど振幅が大きくなるようななだらかな変化の補正信号を
`発生する。補正回路60では正極正又は負極性の一方の
`極性の補正信号を発生するので、この補正信号(e) を映
`像信号側の交播回路13による極性反転に対応させるた
`め、補正回路60の後段に設けた交播回路61で1水平
`期間毎に補正信号(e) の極性反転を行う。
`【0040】この交播回路61は、前記映像信号側の交
`播回路13と同様に構成(図3参照)することができ、
`反転アンプと、正転アンプと、これらのアンプを1水平
`20
`20 期間毎に切り換えるスイッチ手段とで構成できる。
`【0041】加算器62では、図7に示すように極性反
`転された補正信号(f) を直流コモン電圧E1 に対して加
`算する。そして、補正信号(f) が加算されたコモン電圧
`(g)が液晶パネル部10の画素共通電極(コモン端子)
`10aに供給されるようになっている。
`【0042】液晶パネル部10は、R用の交播回路13
`からの1水平期間毎の極性反転されたR信号を入力しサ
`ンプル・ホールドするサンプル・ホールド回路と、サン
`プル・ホールドされたR信号を液晶パネルを駆動するの
`30
`30 に必要な電圧まで増幅し、液晶パネルの各画素の信号線
`(ソース線)に供給する水平ドライバ回路と、R用の画
`像を形成する液晶パネルとで構成されている。従って、
`この液晶パネル部10には、RGBの3原色信号の内、
`Rの映像信号が、交播回路13より供給される。また、
`このR用交播回路13からの出力信号を表示するのに必
`要なクロック及びタイミングパルスがタイミング回路4
`0から供給される。
`【0043】タイミング回路40は、入力端子41から
`入力される水平(H),垂直(V)同期信号から、交播
`40
`40 回路13及び交播回路61への切換パルスfH 及び液晶
`パネル部10を駆動するためのクロック及びタイミング
`パルスを生成する一方、補正回路60で生成する補正信
`号を入力映像信号の映像期間に対してタイミング合わせ
`するためのタイミング信号を生成する。
`【0044】次に、上記構成の装置の動作について、図
`8を参照しながら説明する。図8において、(a) は入力
`端子11の入力映像信号、(b) は交播回路13における
`反転アンプQ1 と正転アンプQ2 によってそれぞれ生成
`される正極性,負極性の2種類の映像信号、(c) はタイ
`50
`50 ミング回路40からの1水平期間ごとの切換パルスfH
`
`5
`
`
`
`9
` 、(d) は交播回路13からの出力、(e) は補正回路6
`0で生成される補正信号、(f) は前記(e) の補正信号を
`交播回路61で1水平期間毎に極性反転した補正信号、
`(g) は前記(f) の補正信号を加算器62にて直流電圧E
`1 に加算した補正されたコモン電圧、(h) は液晶パネル
`部10に供給される映像信号(d)とコモン電圧(g) との
`関係、をそれぞれ示している。
`【0045】入力映像信号(a) は映像処理回路12で増
`幅等の映像処理がなされ、交播回路13では切換パルス
`fH を用いて映像処理後の信号を1水平期間毎に極性反
`転して映像信号(d) として出力し、液晶パネル部10に
`供給する。補正回路60では、入力端子41からの水
`平,垂直同期信号に基づき1水平期間毎の補正信号(e)
`を生成し、これを交播回路61で1水平期間毎に極性反
`転する。加算器62では、直流電源からの電圧E1 に対
`して、交播された補正信号(f) を加算し、その加算信号
`(g) をコモン電圧として液晶パネル部10のコモン電極
`10aに供給している。
`【0046】本実施の形態においても、図5で説明した
`のと同様に、補正信号の生成を、ギャップムラの形態つ
`まり輝度ムラの形態に適合するように生成することによ
`り、輝度ムラをより高い精度でキャンセルすることが可
`能となる。
`【0047】
`【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、液晶
`パネルの液晶層厚さムラ(ギャップムラ)に起因する輝
`度ムラの発生を抑えることができる。従って、3板式の
`液晶データプロジェクタ等に使用する小形の液晶パネル
`に生じやすいギャップムラに起因した輝度ムラを抑え
`て、品位の高い液晶表示映像を提供することが可能とな
`る。
`
`( 6 )
`
`特開2000−56737
`10
`
`【図面の簡単な説明】
`【図1】本発明の一実施の形態の液晶パネルの輝度ムラ
`補正装置を示すブロック図。
`【図2】図1における輝度ムラ補正方式を説明する波形
`図。
`【図3】図1における交播回路の構成例を示す図。
`【図4】図1の装置の動作を説明する波形図。
`【図5】液晶パネルのギャップムラに起因した輝度ムラ
`の一例と、これをキャンセルするための補正信号の出し
`10 方を説明する図。
`10
`【図6】本発明の他の実施の形態の液晶パネルの輝度ム
`ラ補正装置を示すブロック図。
`【図7】図6における輝度ムラ補正方式を説明する波形
`図。
`【図8】図6の装置の動作を説明する波形図。
`【図9】従来の3板式液晶データプロジェクタに用いら
`れる液晶駆動回路の一例を示すブロック図。
`【図10】液晶パネルの構造を示す断面図。
`【図11】図10の液晶パネルを平面的に見た構成図。
`20 【図12】液晶層の厚さによる明るさの違いを示す図。
`20
`【図13】輝度ムラの出方を示す図。
`【符号の説明】
`10…液晶パネル部
`10a…画素共通電極(コモン端子)
`11…映像信号入力端子
`13,61…交播回路
`40…タイミング回路
`41…同期信号入力端子
`50,60…補正回路
`30 51,62…加算器(加算手段)
`30
`
`【図1】
`
`【図2】
`
`【図3】
`
`6
`
`
`
`( 7 )
`
`特開2000−56737
`
`【図4】
`
`【図6】
`
`【図11】
`
`【図5】
`
`【図7】
`
`【図10】
`
`7
`
`
`
`( 8 )
`
`特開2000−56737
`
`【図8】
`
`【図9】
`
`【図12】
`
`【図13】
`
`8
`
`
`
`( 9 )
`
`特開2000−56737
`
`フロントページの続き
`
`
`Fターム(参考) 2H093 NA16 NA32 NA80 NC13 NC22
` NC23 NC26 NC34 NC68 ND05
` ND09 ND53 ND54 ND58 NF05
` NG02
` 5C006 AC25 AC27 AF46 BB16 BF28
` EC11 FA20 FA22
` 5C058 AA09 BA01 BA02 BA06 BB09
` BB22 BB25
`
`9
`
`