`【目的】 他車両にグレアを与えることを確実に防止す
`る。
`【構成】 車両10には車両前方の状況を撮像するTV
`カメラ22と、他車両との車間距離を測定するレーダ8
`0と、が取付けられている。レーダ80は図示しないア
`クチュエータにより矢印A方向または矢印B方向に回動
`される。TVカメラ22から出力された画像信号に基づ
`いて、図示しない画像処理装置では他車両を認識し、画
`像上の各車両の位置を求める。次に求めた各車両の位置
`に基づいて各車両が存在する方向を求め、レーダ80の
`検出領域内に他車両が収まるようにレーダ80を回動さ
`せ、各車両との車間距離を測定させる。さらに、測定し
`た車間距離に基づいてヘッドランプ18、20に設けら
`れた図示しない遮光カムを回動させ、他車両にグレアを
`与えないようにランプの照射範囲を制御する。
`
`1
`
`Mercedes-Benz USA, LLC, Petitioner - Ex. 1010
`
`
`
`1
`
`【特許請求の範囲】
`【請求項1】 照射方向及び照射範囲の少なくとも一方
`が変更可能なヘッドランプと、
`車両前方の状況を撮像して画像信号を出力する撮像手段
`と、
`前記撮像手段から出力された画像信号に基づいて他車両
`が存在する方向を検出する検出手段と、
`前記検出手段によって検出された他車両の方向に基づい
`て前記他車両との車間距離を測定する測定手段と、
`少なくとも前記測定手段によって測定された他車両との
`車間距離に基づいて、前記他車両にグレアを与えること
`がないように前記ヘッドランプの照射方向及び照射範囲
`の少なくとも一方を制御する制御手段と、
`を有する車両用前照灯装置。
`【発明の詳細な説明】
`【0001】
`【産業上の利用分野】本発明は車両用前照灯装置に係
`り、特に、車両走行中に、車両の前方を照射するヘッド
`ランプの配光を制御する車両前照灯装置に関する。
`【0002】
`【従来の技術】車両にはヘッドランプが車両前端部の右
`側及び左側に一対配設されており、夜間等のように前方
`の状況を視認することが困難な場合に点灯され、ドライ
`バーの前方視認性を向上させるようになっている。この
`ヘッドランプは、照射範囲がハイビームとロービームの
`2段階にのみ切替え可能となっている構成が一般的であ
`り、先行車両や対向車両等の他車両が存在する場合に
`は、他車両のドライバーを眩惑させる不快なグレアを与
`えないようにロービームが選択されることが多い。しか
`しながら、例えば先行車両との車間距離が長い等の場合
`には、ロービームではドライバーがヘッドランプの照射
`範囲外である暗部を継続して目視し、ハイビームでは先
`行車両等にグレアを与える等のように、常に前方の適切
`な範囲を照射することは困難であるという問題があっ
`た。
`【0003】このため、ヘッドランプの内部に照射光を
`遮光するための遮光板を設け、他車両にグレアを与える
`ことなくかつ充分な照射範囲が得られるように前記遮光
`板を移動させて、照射領域と未照射領域の境界(以下、
`この境界をカットラインという)の位置を制御すること
`が提案されている。また、他車両にグレアを与えないよ
`うにカットラインの位置を制御する技術として、車両前
`方の状況をCCDカメラ等で撮像し、CCDカメラから
`出力される画像信号に基づいて先行車両を認識して先行
`車両との車間距離を検出し、車間距離に応じてヘッドラ
`ンプの配光を制御することが提案されている(特開昭 6
`2-131837号公報参照)。
`【0004】この車両前方の状況を表す画像による車間
`距離の検出は、他車両との車間距離が大きくなるに従っ
`て前記画像中における他車両の位置が画像の上方側へ移
`
`(2)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平6−267303
`2
`動するという原理に基づいて行われ、他車両の位置が画
`像の上方側に位置している程車間距離が大きいと判断し
`ている。また、夜間等の状況では他車両そのものを検出
`することは困難であるので、先行車両であればテールラ
`ンプ、対向車両であればヘッドランプを検出し、画像中
`におけるランプの高さ位置、またはランプの間隔に基づ
`いて車間距離を判断している。
`【0005】
`【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記テ
`ールランプやヘッドランプの路面からの高さ位置及びラ
`ンプの間隔は車種によって異なっている。このため、テ
`ールランプやヘッドランプの高さ位置またはランプの間
`隔に基づく車間距離の検出では、実際の車間距離が同一
`であっても他車両の車種によって車間距離の検出結果が
`異なることがある。また、画像中におけるランプの高さ
`位置は、例えば路面の勾配等により他車両との相対的な
`高さ位置が変化した場合にも変化する。従って、画像中
`のランプの高さ位置及びランプ間隔では車間距離を正確
`に検出することができず、検出した他車両との車間距離
`に基づいてヘッドランプの配光を制御しても、他車両に
`グレアを与えてしまう可能性があった。
`【0006】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
`で、他車両にグレアを与えることを確実に防止すること
`ができる車両用前照灯装置を得ることが目的である。
`【0007】
`【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
`に本発明に係る車両用前照灯装置は、照射方向及び照射
`範囲の少なくとも一方が変更可能なヘッドランプと、車
`両前方の状況を撮像して画像信号を出力する撮像手段
`と、前記撮像手段から出力された画像信号に基づいて他
`車両が存在する方向を検出する検出手段と、前記検出手
`段によって検出された他車両の方向に基づいて前記他車
`両との車間距離を測定する測定手段と、少なくとも前記
`測定手段によって測定された他車両との車間距離に基づ
`いて、前記他車両にグレアを与えることがないように前
`記ヘッドランプの照射方向及び照射範囲の少なくとも一
`方を制御する制御手段と、を有している。
`【0008】
`【作用】本発明では、車両前方の状況を撮像して得た画
`像信号に基づいて他車両が存在する方向を検出し、検出
`された他車両の方向に基づいて他車両との車間距離を測
`定手段によって測定し、少なくとも他車両との車間距離
`に基づいて、他車両にグレアを与えることがないように
`ヘッドランプの照射方向及び照射範囲の少なくとも一方
`を制御する。この測定手段としては、例えば周知のミリ
`波レーダ、レーザレーダ等を適用することができる。ま
`た、測量等で用いられ光の干渉を利用して距離を測定す
`るジオジメータや、マイクロ波が測定対象に反射して戻
`ってくるまでの時間を測定し位相比較によって距離を求
`めるテルロメータ等を適用することも可能である。
`
`2
`
`
`
`3
`【0009】上記測定手段は、検出対象車両の車種や、
`検出対象車両との相対的な高さ位置の変化によって車間
`距離の検出値が変動することがないので、画像中におけ
`るランプの高さ位置やランプ間隔を検出して他車両との
`車間距離を判断する等の場合と比較して正確な車間距離
`を測定することができ、この正確に測定された車間距離
`に基づいて、ヘッドランプの照射方向及び照射範囲の少
`なくとも一方を制御することにより、他車両にグレアを
`与えることを確実に防止することができる。
`【0010】なお、測定手段としてレーダを適用して他
`車両との車間距離を検出する場合、例えば出力が比較的
`小さくかつ指向性の鋭いレーダを用い、位置が検出され
`た他車両がレーダの検出範囲内に入るようにレーダを向
`けることで該他車両との車間距離を測定することができ
`る。また、出力が比較的大きくかつ検出範囲の広いレー
`ダによって前記検出範囲内に存在する全ての物体との距
`離を検出した後に他車両の位置に基づいて他車両を特定
`して車間距離を得るようにしてもよい。しかしながら、
`測定手段は車両に搭載するために小型で低コストである
`ことが求められ、かつ出力もあまり大きくすることがで
`きないので、前述のように出力が比較的小さくかつ指向
`性の鋭いレーダを用いて車間距離を検出することが好ま
`しい。
`【0011】
`【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
`に説明する。図1に示すように、車両10のフロントボ
`デー10Aの上面部には、エンジンフード12が配置さ
`れており、フロントボデー10Aの前端部には車両幅方
`向の一旦から他端に亘ってフロントバンパ16が固定さ
`れている。このフロントバンパ16とエンジンフード1
`2の前縁部との間には、車両幅方向両端部に一対のヘッ
`ドランプ18、20が配設されている。
`【0012】エンジンフード12の後端部付近には、ウ
`インドシールドガラス14が設けられており、車両10
`内部のウインドシールドガラス14の上方側に対応する
`部位の近傍にはルームミラー15が設けられている。ル
`ームミラー15の近傍には車両前方の状況を撮像するた
`めのTVカメラ22が配置されている。TVカメラ22
`は画像処理装置48(図4参照)に接続されている。本
`実施例ではTVカメラ22として、単に光量のみを検出
`するCCD素子を備え白黒画像を表す画像信号を出力す
`るTVカメラを用いている。
`【0013】なお、TVカメラ22の配設位置は、車両
`前方の道路形状を正確に認識でき、かつドライバーの目
`視感覚により合致するように、ドライバーの視点位置
`(所謂アイポイント)になるべく近い位置に配置される
`ことが好ましい。また、本実施例における道路形状に
`は、進行路の形状、例えばセンターラインや縁石等によ
`って形成される1車線に対応する道路形状が含まれる。
`また、車両10には図示しないスピードメータが配設さ
`
`(3)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平6−267303
`4
`れており、この図示しないスピードメータのケーブルに
`は、車両10の車速Vを検知する車速センサ66(図4
`参照)が取付けられている。この車速センサ66は画像
`処理装置48に接続されており、車速Vの検出結果を出
`力する。
`【0014】また、車両10のフロントグリルの内部に
`は、測定手段としてのレーダ80が配置されている。本
`実施例では、レーダ80として検出領域の幅が車両が通
`行する車線の1本分程度の大きさとされたミリ波レーダ
`を用いている。レーダ80には、レーダ80を図1矢印
`A方向及び矢印B方向に回動させるアクチュエータ82
`(図4参照)が連結されている。レーダ80はアクチュ
`エータ82によって図1矢印A方向または矢印B方向に
`回動されることにより、車両10の前方の各方向に存在
`する他車両を検出領域内に収め、この他車両との車間距
`離を検出できるようになっている。レーダ80は制御装
`置50の入力ポート58(図4参照)に接続されてお
`り、車間距離を検出した結果を制御装置50へ出力す
`る。また、前記アクチュエータ82は制御装置50の出
`力ポート64に接続されており、制御装置50から指示
`された回動角だけレーダ80を矢印A方向または矢印B
`方向へ回動させるようになっている。
`【0015】図2及び図3に示すように、ヘッドランプ
`18はプロジェクタタイプのヘッドランプで、凸レンズ
`30、バルブ32及びランプハウス34を備えている。
`ランプハウス34は車両10の図示しないフレームに略
`水平に固定されており、ランプハウス34の一方の開口
`には、凸レンズ30が固定され、他方の開口には凸レン
`ズ30の光軸L(凸レンズ30の中心軸)上に発光点が
`位置するようにソケット36を介してバルブ32が固定
`されている。
`【0016】ランプハウス34内部のバルブ側には、楕
`円反射面のリフレクタ38が形成されており、バルブ3
`8から射出された光がリフレクタ38により反射され凸
`レンズ30及びバルブ32の間に集光される。この集光
`点の近傍にはアクチュエータ40、42が配設されてい
`る。アクチュエータ40は、ランプハウス34内に車両
`幅方向に沿うように固定された回転軸44に回動可能に
`軸支された遮光カム40Aを備えており、この遮光カム
`40Aには歯車40Bが固着されている。歯車40Bに
`は、モータ40Dの駆動軸に固着された歯車40Cが噛
`合している。モータ40Dは制御装置50のドライバ6
`4に接続されている。
`【0017】また、アクチュエータ42もアクチュエー
`タ40と同様に、前記回転軸44に回動可能に軸支され
`た遮光カム42Aと、遮光カム40Aに固着された歯車
`40Bと、モータ42Dと、モータ42Dに駆動軸に固
`着され歯車40Bと噛合する歯車40Cと、で構成され
`ている。モータ40Dも制御装置50のドライバ64に
`接続されている。リフレクタ38で反射集光されたバル
`
`3
`
`
`
`5
`ブ32の光は、アクチュエータ40、42の遮光カム4
`0A、42Aによって遮光され、それ以外の光が凸レン
`ズ30から射出される。
`【0018】前記遮光カム40A、42Aは、回転軸4
`4から外周までの距離が円周方向に沿って連続的に変化
`するカム形状をしており、制御装置50からの信号に応
`じてモータ40D、42Dが駆動されることによって各
`々別個に回動される。この遮光カム40A、42Aの回
`動に伴って、バルブ32の光が通過光と遮光された光と
`に分断される境界の位置が上下に変化する。この境界が
`車両10の前方の配光における明暗の境界であるカット
`ラインとして現れることになる。
`【0019】図22に示すように、遮光カム40Aによ
`って形成される前記境界は、ヘッドランプ18による照
`射領域内の車両幅方向右側のカットライン70として現
`れ、遮光カム40Aが回動されることにより、カットラ
`イン70の位置は、最上位に対応する位置(図22にカ
`ットライン70として実線で示す位置、所謂ハイビーム
`以下の位置)から最下位に対応する位置(図22に想像
`線で示す位置、所謂ロービーム並みの位置)まで平行に
`移動する。
`【0020】また、遮光カム42Aによって形成される
`前記境界は、照射領域内の車両幅方向左側のカットライ
`ン72として現れ、遮光カム42Aが回動されることに
`より、カットライン72の位置は最上位の位置(図22
`にカットライン72として実線で示す位置、所謂ハイビ
`ーム以下の位置)から最下位の位置(図22に想像線で
`示す位置、所謂ロービーム並みの位置)まで平行に移動
`する。
`【0021】また、ヘッドランプ20はヘッドランプ1
`8と同様の構成であるため、詳細な説明は省略するが、
`図4に示すようにアクチュエータ41、43が取付けら
`れており、アクチュエータ41、43の作動に伴って照
`射領域の左側のカットラインの位置及び右側のカットラ
`インの位置が各々別個に移動される。
`【0022】図4に示すように、制御装置50は、リー
`ドオンリメモリ(ROM)52、ランダムアクセスメモ
`リ(RAM)54、中央処理装置(CPU)56、入力
`ポート58、出力ポート60及びこれらを接続するデー
`タバスやコントロールバス等のバス62を含んで構成さ
`れている。なお、このROM52には、後述するマップ
`及び制御プログラムが記憶されている。
`【0023】入力ポート58には車速センサ66及び画
`像処理装置48が接続されている。この画像処理装置4
`8は、後述するようにTVカメラ22及び制御装置50
`から入力される信号に基づいて、TVカメラ22で撮像
`されたイメージを画像処理する。出力ポート60は、ド
`ライバ64を介してヘッドランプ18のアクチュエータ
`40、42及びヘッドランプ20のアクチュエータ4
`1、43に接続されている。また、出力ポート60は、
`
`(4)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平6−267303
`6
`画像処理装置48にも接続されている。
`【0024】次に、図5乃至図7のフローチャートを参
`照して本実施例の作用を説明する。ドライバーが車両1
`0の図示しないライトスイッチをオンし、ヘッドランプ
`18、20を点灯させると、所定時間毎に図5に示す制
`御メインルーチンが実行される。この制御メインルーチ
`ンのステップ200では先行車両認識処理が実行され、
`自車両10に先行して走行している先行車両が認識され
`る。この先行車両認識処理について図6のフローチャー
`トを参照して説明する。
`【0025】図8(A)には、車両10が道路122を
`走行している際にTVカメラ22によって撮像された、
`ドライバーによって視認される画像と略一致したイメー
`ジの一例(イメージ120)を示す。この道路122
`は、車両10が走行する車線の両側に白線124を備え
`ている。なお、上記イメージ上の各画素は、イメージ上
`に設定された各々直交するX軸とY軸とによって定まる
`座標系の座標(Xn ,Yn )によって位置が特定され
`る。以下では、このイメージに基づいて先行車両を含む
`他車両の認識が行われる。
`【0026】図7のフローチャートのステップ300で
`は、図9に示すようにイメージ上の所定の幅γを有する
`領域を白線検出ウインド領域Wsd として設定する。本実
`施例では、車両10の夜間走行時に車両10の前方の略
`40〜50mまでの画像しか検出できないことを考慮
`し、車両10の前方60mを越える位置の白線の検出を
`行わない。また、画像中の下方の領域は先行車両が存在
`する確度が低い。このため、白線検出ウインド領域Wsd
`を、車両10の前方60mまでを検出できるように、所
`定の水平線140以上の領域及び下限線130より下方
`の領域を除去した白線検出ウインド領域Wsd を設定す
`る。
`【0027】次のステップ302ではウインド領域Wsd
`内を明るさについて微分し、この微分値のピーク点(最
`大点)を白線候補点であるエッジ点として抽出する。す
`なわち、ウインド領域Wsd 内を垂直方向(図9矢印A方
`向)に、水平方向の各画素について最下位置の画素から
`最上位置の画素までの明るさについて微分し、明るさの
`変動が大きな微分値のピーク点をエッジ点として抽出す
`る。これにより、例として図9のウインド領域Wsd 内に
`示す破線132のように連続するエッジ点が抽出され
`る。
`【0028】ステップ304では直線近似処理を行う。
`この処理は、白線候補点抽出処理で抽出されたエッジ点
`をハフ(Hough )変換を用いて直線近似し、白線と推定
`される線に沿った近似直線142、144を求める。次
`のステップ305では、求めた近似直線の交点PN (X
`座標値=XN )を求め、求めた交点PN と基準とする予
`め定めた直線路の場合の近似直線の交点P0 (X座標値
`=X0 )との水平方向の変位量A(A=XN −X0 )を
`
`4
`
`
`
`7
`求める。この変位量Aは、道路122のカーブの度合い
`に対応している。
`【0029】次のステップ306では、変位量AがA2
`≧A≧A1 の範囲内か否かを判定することにより道路1
`22が略直線路か否かを判定する。この判定基準値A1
`は、直線路と右カーブ路との境界を表す基準値であり、
`判定基準値A2 は、直線路と左カーブ路との境界を表す
`基準値である。ステップ306で直線路と判定された場
`合には、ステップ308で自車両10の車速Vを読み取
`る。
`【0030】次のステップ310では、読み取った車速
`Vに応じて先行車両を認識する先行車両認識領域WP を
`設定するにあたり、近似直線の位置を補正する補正幅α
`L 、αR を決定する。高速走行時は車両が旋回可能な道
`路の曲率半径が大きいため、略直線の道路を走行してい
`ると見なせるが、低速走行時は旋回可能な曲率半径が小
`さいため、車両の直前方が略直線に近い道路であっても
`遠方で道路の曲率半径が小さくなっている場合には、車
`両が先行車両認識領域WP から逸脱する可能性がある。
`このため、前記補正幅αL 、αR は図12に示すような
`マップを用い、速度Vが低くなるに従って値が大きくな
`るように定める。
`【0031】次のステップ312では、下限線130、
`補正幅αL 、αR で位置が補正された近似直線142、
`144で囲まれた領域を、先行車両認識領域WP として
`設定する(図10参照)。なお、この先行車両認識領域
`WP についても、車速Vの変化に応じた前記補正幅
`αL 、αR の変更に伴って、低速走行となるに従って面
`積が大きくされる(図11参照)。
`【0032】一方、ステップ306の判定が否定される
`と、ステップ314において、A>A2 か否かを判定す
`ることによって、道路が右カーブ路か左カーブ路かを判
`定する。判定が肯定された場合には道路は右カーブ路と
`判断され、ステップ316で車両10の車速Vを読み取
`って、図12に示すマップを用い、読み取った車速Vに
`応じた補正幅αL 、αR に対する補正値αL ’、αR ’
`をステップ318で決定する。次のステップ320で
`は、カーブの度合いを表す変位量Aに応じて左右の近似
`直線の補正幅αR 、αL を決定するためのゲインGL、
`GRを図13及び図14に示すマップを用いて決定し、
`ステップ322では決定された補正値αR ' 、αL ' 及
`びゲインGL、GRに基づいて最終的なウインド領域の
`左右の補正幅αR 、αL を決定する。
`【0033】このとき道路はカーブ路であるため、左右
`は非対称となり、近似直線142、144は異なる傾き
`となる。このため、左右の補正幅αR 、αL は独立した
`値に設定される。すなわち、道路が右カーブ路で曲率半
`径が小さい(変位量Aが大)ときは、先行車両が右側に
`存在する確度が高い。従って、右側のゲインGRを大き
`くすることにより補正幅αR を大きくし(図13参照)
`
`(5)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平6−267303
`8
`かつ左側のゲインGLを小さくすることにより補正幅α
`L を小さくする(図14参照)。また、道路が右カーブ
`路で曲率半径が大きい(変位量Aが小)ときは、右側の
`ゲインGRを小さくすることにより補正幅αR を小さく
`し、かつ左側のゲインGLを大きくすることにより補正
`幅αL を大きくする。この補正幅の変化を、図15にイ
`メージとして示す。
`【0034】ステップ324では、決定された補正幅α
`L 、αR で位置が補正された近似直線142、144で
`囲まれた領域を、先行車両認識領域WP として設定す
`る。
`【0035】一方、ステップ314の判定が肯定された
`場合には道路が左カーブ路であると判断してステップ3
`26へ移行し、車両10の車速Vを読み取る。ステップ
`328では図12のマップを用いて、読み取った車速V
`に応じて左右の補正値αR '、αL ' を決定し、ステッ
`プ330で変位量Aに応じた左右のゲインGL、GRを
`決定する。すなわち、道路が左カーブ路で曲率半径が小
`さい(変位量Aが大)ときは先行車両が左側に存在する
`確度が高いため、図16に示すマップにより右側のゲイ
`ンGRを小さくすることによって補正幅αR を小さく
`し、かつ図17に示すマップにより左側のゲインGLを
`大きくすることによって補正幅αL を大きくする。
`【0036】次のステップ332では、決定された補正
`値αR ' 、αL ' 及びゲインGL、GRに基づいて最終
`的なウインド領域の左右の補正幅αR 、αL を決定し、
`ステップ334では決定された左右の補正幅αR 、αL
`によって位置を補正した近似直線142、144で囲ま
`れた領域を、先行車両認識領域WP として設定する。上
`記のようにして先行車両認識領域WP が設定されるとス
`テップ336へ移行する。
`【0037】ステップ336では先行車両認識処理とし
`て、先行車両認識領域WP 内における水平エッジ検出処
`理を行う。この水平エッジ検出処理は、まずステップ3
`02のエッジ検出処理と同様に、水平エッジ点の検出を
`車両認識領域WP 内において行う。次に、検出された水
`平エッジ点を横方向に積分し、積分値が所定値を越える
`位置のピーク点EP を検出する(図8(B)参照)。こ
`の水平エッジは先行車両が存在する場合に現れる可能性
`が高い。
`【0038】次のステップ338では先行車両の位置座
`標を演算する。まず垂直エッジ検出処理を行う。水平エ
`ッジ点の積分値のピーク点EP が複数あるとき、画像上
`で下方に位置するピーク点EP から順に、ピーク点EP
`に含まれる水平エッジ点の両端を各々含むように垂直線
`を検出するためのウインド領域WR 、WL を設定する
`(図8(C)参照)。このウインド領域WR 、WL 内に
`おいて垂直エッジを検出し、垂直線138R、138L
`が安定して検出された場合にウインド領域WR 、WL で
`挟まれた領域に先行車両が存在すると判定する。
`
`5
`
`
`
`9
`【0039】次に、ウインド領域WR 、WL 内の各々で
`検出された垂直線138R、138Lの横方向の間隔を
`求めることによって車幅を求め、イメージ上の車両の位
`置の座標として車幅中央の座標を求める。以上により先
`行車両認識処理を終了し、図5に示す制御メインルーチ
`ンのステップ202へ移行する。
`【0040】ステップ202では対向車両認識処理を行
`う。この対向車両認識処理について図7のフローチャー
`トを参照して説明する。ステップ404では、前述の先
`行車両認識領域設定処理で求めた、近似直線の交点PN
`と、基準とする直線路の場合の近似直線の交点P0 と、
`の水平方向の変位量A(ステップ305参照)を読み取
`る。次のステップ406では、変位量AがA2 ≧A≧A
`1 の範囲内か否かを判定し、判定が肯定された場合には
`道路122が略直線路と判断し、ステップ408で車両
`10の車速Vを読取り、次のステップ410では読取っ
`た車速Vに応じた対向車両認識領域WPO を設定するため
`の近似直線の位置を補正する右側の補正幅αRO を決定す
`る。この補正幅αRO は、前述の先行車両認識領域WP に
`おけるαR 、αL と同様に、図18に示すマップを用
`い、低速走行時は補正幅を大きくし、高速走行時は小さ
`くする。次のステップ412では、下限線130、近似
`直線144及び決定された補正幅αRO を用いて、対向車
`両を認識するための対向車両認識領域WPO を決定する
`(図19参照)。
`【0041】一方、ステップ406の判定が否定された
`場合には、ステップ414で変位量AがA>A2 か否か
`判定する。ステップ414の判定が肯定された場合には
`道路は右カーブ路であると判断し、ステップ416で車
`両10の車速Vを読み取り、次のステップ418では、
`読み取った車速Vに応じた補正幅αRO に対する補正値α
`RO ' を図18のマップを用いて決定する。次のステップ
`420では、図20に示すマップを用いて補正幅αRO を
`決定するためのゲインGRO を決定し、ステップ422
`において、決定された補正値αRO ' 、及びゲインGRO
`に基づいて、近似直線144の位置を補正するための補
`正幅αRO を決定する。ステップ424では、決定された
`補正幅αRO を用いて対向車両を認識処理するための対向
`車両認識領域WPO を決定する。
`【0042】一方、ステップ414の判定が否定された
`場合には、道路は右カーブ路であると判断してステップ
`426へ移行し、車両10の車速Vを読取る。次のステ
`ップ428では、読取った車速Vと図18のマップとに
`基づいて補正値αRO ' を決定し、ステップ430では変
`位量Aに応じたゲインGRO を図21に示すマップを用
`いて決定する。ステップ432では、決定された補正値
`αRO ' 及びゲインGRO に基づいて最終的な補正幅αRO
`を決定し、次のステップ434では決定された補正幅α
`RO を用いて先行車両認識領域WPO を決定する。
`【0043】上記のようにして対向車両認識領域WPO が
`
`(6)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平6−267303
`10
`決定されるとステップ436へ移行し、前述の先行車両
`認識処理と同様に、決定された対向車両認識領域WPO 内
`において水平エッジ点積分を行うことにより、対向車両
`の認識を行う。ステップ438では、対向車両認識領域
`WPO について更に水平エッジ点の積分ピーク点を含むよ
`うに対向車両認識ウインド領域WOO を付与し(図19参
`照)、垂直方向にエッジ点積分し、イメージ上の車両位
`置座標を求める。
`【0044】次のステップ440以降の処理は、先行車
`両認識処理及び対向車両認識処理で検出された全ての車
`両に対して行われる。すなわちステップ440では、求
`めた車両位置(X軸座標)が先行車両認識領域WP 及び
`対向車両認識領域WPO の何れに含まれるかを判定する。
`対向車両認識領域WPO に含まれる場合にはステップ44
`0の判定が肯定され、ステップ448で前記車両は対向
`車両であると認識する。一方、車両位置(X軸座標)が
`先行車両認識領域WP に含まれている場合にはステップ
`440の判定が否定され、ステップ442で水平エッジ
`積分量が所定値βを越えているか否かを判定する。
`【0045】水平エッジ積分量が所定値βを越えている
`場合には、ステップ442の判定が肯定されてステップ
`446へ移行し、前記車両は対向車両であると認識し、
`先行車両と認識していた前記車両を対向車両に修正す
`る。対向車両は自車両に向けてヘッドランプの光を照射
`しているので、前方に存在する車両として検出する明る
`さ(エッジ点の積分値)は、先行車両における反射光ま
`たはテールランプ等の直接光より、ヘッドランプからの
`直接光である対向車両の光の方が明るくなる。このた
`め、前記所定値βを、ヘッドランプからの光に対応する
`値に設定することにより、先行車両と対向車両とを判別
`することができる。一方、水平エッジ積分量が所定値β
`以下の場合には、ステップ444で前記車両を先行車両
`であると認識する。このような処理を認識された全ての
`車両に対して行って本ルーチンを終了する。
`【0046】このように、先行車両の認識領域と対向車
`両の認識領域とが重複する場合であっても、対向車両認
`識領域に対向車両認識ウインド領域WOO を付与し、この
`領域内の車両の位置から先行車両か対向車両かを判定し
`ているため、実際に対向車両が存在する確度が高い範囲
`を確実に含むことができ、更に先行車両を除外して高い
`確度で対向車両を認識することができる。
`【0047】このようにして先行車両及び対向車両の認
`識が終了すると、図5の制御メインルーチンのステップ
`204へ移行する。ステップ204では、上述の他車両
`認識処理で検出された対向車両の位置に基づいて、対向
`車両が存在する方向を表す対向車両角度θT を求める。
`なお、この対向車両角度θT は、車両10の進行方向
`(画像中の中央)を基準(0°)とし、対向車両の位置
`が基準から右側または左側に偏倚するに従って値が大き
`くなるように設定される。次のステップ206では、レ
`
`6
`
`
`
`11
`ーダ80が対向車両角度θT に対応する位置まで回動す
`るようにアクチュエータ82を制御する。これにより、
`レーダ80の検出領域内に対向車両が収められることに
`なる。ステップ208ではレーダ80を作動させ、対向
`車両との車間距離LT を測定させる。
`【0048】ステップ210では車間距離LT の測定が
`成功したか否か判定する。本実施例のレーダ80として
`用いているミリ波レーダは、非検出物体が例えば100
`m以上の遠距離にあると検出能力が急激に低下し、測定
`が失敗する可能性が高い。このため、車間距離の測定が
`失敗した場合には、対向車両との車間距離が100m以
`上あると判断できる。
`【0049】対向車両との車間距離が、例えば100m
`以下の場合には車間距離の測定に成功し、ステップ21
`2へ移行する。なお、この車間距離LT はレーダ80に
`よって測定されているので、正確な値が得られている。
`このため本ステップ212では、測定された車間距離L
`T 及び対向車両角度θT に基づいて、遮光カム40Aの
`角度DGR 及び遮光カム42Aの角度DGL を求める。
`【0050】具体的には、対向車両角度θT が0°〜右
`側最大値の範囲内の場合には、図23に示すマップ内の
`車間距離LT に対するカム角度DGR 、DGL の関係を
`表す2本の直線のうち、上側の直線を用いて車間距離L
`T に対するカム角度DGR 、DGL を求める。また、角
`度θT が左側最大値の場合には前記2本の直線のうち下
`側の線を用いてカム角度DGR 、DGL を求める。さら
`に、θT が、0°<θT <左側最大値の範囲内である場
`合には、上側の直線をθT の値に応じた移動量だけ平行
`移動させた直線を用いてカム角度DGR 、DGL を求め
`る。
`【0051】なお、ヘッドランプのカットライン70、
`72は、カム角度DGR 、DGL が大きくなるに従って
`位置が高くされる。このように、対向車両角度θT が車
`両10の左側に存在している場合に、車間距離LT に対
`するカム角度DGR 、DGL の関係を変化させるのは、
`図22にも示すようにヘッドランプの照射領域の車両幅
`方向左側のカットライン72が左下がりに傾斜してお
`り、車間距離LT が同一であっても他車両の位置が左側
`に移動するに従って他車両に対するカットライン位置が
`上昇し、グレアを与える虞れがあるためである。上記に
`より求めたDGR 、DGL を用いてアクチュエータ4
`0、41、42、43を制御すれば、対向車両にグレア
`を与えることが確実に防止される。
`【0052】一方、車間距離LT の測定に失敗した場合
`は、車間距離LT は例えば100m以上であると判断で
`きるが、ヘッドランプのグレアは車間距離が100m以
`上であっても発生する。このため、ステップ214で車
`間距離と無関係に、対向車両角度θT に基づいてカム4
`0A、42Bの角度DGR 、DGL を求める。具体的に
`は、カム角度DGR については、図25に示すマップを
`
`(7)
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
` 特開平6−267303
`12
`用いて対向車両角度θT に基づいてカム角度DGR を求
`める。また、カム角度DGL については、図26に示す
`マップを用いて対向車両角度θT に基づいてカム角度D
`GL を求める。このマップは他車両との距離が100m
`のときに前記他車両にグレアを与えないレベルに設定さ
`れている。
`【0053】なお、車間距離LT の測定に失敗した場合
`は、特に対向車両に対して確実にグレアを与えない位置
`にカットラインを制御する必要がある。このため、図2
`5及び図26に示すマップは、対向車両が存在している
`確率の高い車両10の右側の領域に車間距離を検出でき
`ない車両が存在しているときには、車両右側のカットラ
`イン70が左側のカットライン72よりもさらに低い位
`置に制御されるように定められている。
`【0054】上記のようにして、ステップ212または
`214で対向車両角度θT に対する遮光カム角度D
`GR 、DGL が求まると、次のステップ216では、上
`述の先行車両認識処理で検出された先行車両の位置に基
`づいて、先行車両が存在する方向を表す先行車両角度θ
`F を求める。ステップ218では、レーダ80が先行車
`両角度θF に対応する位置まで回動するようにアクチュ
`エータ82を制御する。これにより、レーダ80の検出
`領域内に先行車両が収められる。ステップ220ではレ
`ーダ80を作動させ、先行車両との車間距離LF を測定
`させる。
`【0055】ステップ222では車間距離LF の測定が
`成功したか否か判定する。先行車両との車間距離が例え
`ば100m未満であり、車間距離LF の測定が成功した
`場合にはステップ222の判定が肯定されてステップ2
`24へ移行する。なお、この車間距離LF についてもレ
`ーダ80によって測定されているので、正確な値が得ら
`れている。このため本ステップ224では、測定された
`車間距離LF 及び先行車両角度θF に基づいて、図24
`に示すマップを用い、先行車両位置に対する遮光カム4
`0Aの角度DEGR 及び遮光カム42Aの角度DEGL
`を求める。
`【0056】なお、図24に示すマップは角度DE
`GR 、DEGL を図23に示すマップの角度DGR 、D
`GL と同様に変化させるマップである。上記により求め
`たDEGR 、DEGL を用いてアクチュエータ40、4
`1、42、43を制御すれば、先行車両にグレアを与え
`ることが確実に防止される。また、ステップ222の判
`定が否定された場合には、ステップ226で先行車両角
`度θF に基づいて、前述の図25、26に示すマップを
`用い、車間距離と無関係にカム40A、42Bの角度D
`EGR 、DEGL を求める。
`【0057】上記のようにして、ステップ224または
`226で先行車両角度θF に対する遮光カム角度DEG
`R 、DEGL が求まると、ステップ228では対向車両
`位置に対する遮光カム40Aの角度DGR と、先行車両
`
`7
`
`
`
`13
`位置に対する遮光カム40Aの角度DEGR とを比較
`し、遮光カム40Aの角度の目標値CDEGR として、
`値が小さい方を設定する。また、対向車両位置に対する
`遮光カム42Aの角度DEGL と、先行車両位置に対す
`る遮光カム42Aの角度DEGL とを比較し、遮光カム
`42Aの角度の目標値CDEGL として、値が小さい方
`を設定する。
`【0058】次のステップ230では、遮光カム40
`A、42Aの角度が前記目標値CDEGR 、CDEGL
`となるようにアクチュエータ40、41、42、43を
`制御する。これにより、先行車両及び対向車両のいずれ
`に対しても、グレアを与えないように、カットライン7
`0、72の位置が制御されることになる。なお、図6の
`ステップ300〜304で白線を検出できなかった場合
`には上記制御は行わず、カットライン70、72が所謂
`ロービームに対応する位置に移動するように制御する。
`【0059】なお、上記実施例では図23及び図24に
`も示すように、他車両位置に対する遮光カム40Aの角
`度DGR 、DEGR と、他車両位置に対する遮光カム4
`2Aの角度DGL 、DEGL と、を同じように制御して
`おり、結果としてカットライン70、72の境界におけ
`るカットライン70、72の位置が一致することになる
`が、本発明は上記に限定されるものではなく、例えば図
`27及び図28に示すように、遮光カム40Aの角度D
`GR 、DEGR については角度θT 、θF に拘わらず車
`間距離LT 、LF のみに応じて制御し、遮光カム42A
`の角度DGL 、DEGL については、従来と同様に角度
`θT 、θF に応じて車間距離LT 、LF と角度DGL 、
`DEGL との関係を変更するようにしてもよい。
`【0060】また、車間距離の測定が失敗した場合の遮
`光カム40Aの角度DGR 、DEGR については、図2
`5に破線で示すように車両角度に拘わらず一定となるよ
`うに制御してもよい。
`【0061】また、上記実施例では、遮光カムによって
`車両前方の配光を制御するようにしたが、遮光板やシャ
`ッターによってヘッドランプの光を遮光するようにして
`もよい。また、ヘッドランプの光を遮光することにより
`配光を制御しているが、ヘッドランプの射出光軸を偏向
`するようにしてもよい。
`【0062】さらに、上記実施例では測定手段としてミ
`リ波レーダを用いていたが、本発明はこれに限定される
`ものではなく、レーザレーダ等のレーダ装置を適用する
`ことができる。また、ジオジメータやテルロメータ等を
`用いてもよい。
`【0063】また、上記実施例では左側通行を前提とし
`て説明したが、右側通行の場合にも適用できることは言
`うまでもない。この場合には、カットライン72が水平
`となりカットライン70が右上がりに傾斜すると共に、
`先行車両認識領域WP の左側に対向車両認識領域WPO が
`設定される。
`
`(8)
`
` 特開平6−267303
`14
`
`【0064】
`【発明の効果】以上説明したように本発明では、車両前
`方の状況を撮像して得た画像信号に基づいて他車両の存
`在する方向を検出し、検出された他車両の方向に基づい
`て他車両との車間距離を測定手段によって測定し、少な
`くとも他車両との車間距離に基づいて他車両にグレアを
`与えることがないようにヘッドランプの照射方向及び照
`射範囲の少なくとも一方を制御するようにしたので、車
`間距離を正確に測定することができ、他車両にグレアを
`与えることを確実に防止することができる、という優れ
`た効果が得られる。
`【図面の簡単な説明】
`【図1】本実施例に利用した車両前部を示す車両斜め前
`方から見た斜視図である。
`【図2】本発明が適用可能なヘッドランプの概略構成を
`示す斜視図である。
`【図3】図2のIII −III 線に沿った断面図である。
`【図4】制御装置の概略構成を示すブロック図である。
`【図5】本実施例の制御メインルーチンを説明するフロ
`ーチャートである。
`【図6】先行車両認識処理を説明するフローチャートで
`ある。
`【図7】対向車両認識処理を説明するフローチャートで
`ある。
`【図8】(A)は日中にTVカメラにより撮像される画
`像のイメージ図、(B)は水平エッジ点積分処理を説明
`するための概念図、(C)は垂直エッジ検出処理を説明
`するための概念図である。
`【図9】白線認識時のウインド領域を示す線図である。
`【図10】車両認識領域を示す線図である。
`【図11】車速に応じて車両認識領域を変動させること
`を説明するためのイメージ図である。
`【図12】車速と近似直線の補正幅との関係を示す線図
`である。
`【図13】右カーブ路の度合と右側の近似直線の補正幅
`を決定するゲインとの関係を示す線図である。
`【図14】右カーブ路の度合と左側の近似直線の補正幅
`を決定するゲインとの関係を示す線図である。
`【図15】異なる曲率のカーブ路に対するウインド領域
`及び補正幅を示すイメージ図である。
`【図16】左カーブ路の度合と右側の近似直線の補正幅
`を決定するゲインとの関係を示す線図である。
`【図17】左カーブ路の度合と左側の近似直線の補正幅
`を決定するゲインとの関係を示す線図である。
`【図18】車速とウインド領域の補正幅αRO 、αRO ’と
`の関係を示す線図である。
`【図19】対向車両認識領域を示すイメージ図である。
`【図20】右カーブ路の度合とウインド右側の補正幅を
`決定するゲインとの関係を示す線図である。
`【図21】左カーブ路の度合とウインド右側の補正幅を
`
`10
`10
`
`20
`20
`
`30
`30
`
`40
`40
`
`50
`50
`
`8
`
`
`
`15
`決定するゲインとの関係を示す線図である。
`【図22】アクチュエータにより変位するカットライン
`を説明するためのイメージ図である。
`【図23】対向車両との車間距離測定成功時の、車間距
`離と遮光カム角度との関係を示す線図である。
`【図24】先行車両との車間距離測定成功時の、車間距
`離と遮光カム角度との関係を示す線図である。
`【図25】車間距離測定失敗時の、車両角度と遮光カム
`40Aの角度との関係を示す線図である。
`【図26】車間距離測定失敗時の、車両角度と遮光カム
`42Aの角度との関係を示す線図である。
`【図27】本発明の他の例として、車間距離測定成功時
`の、車間距離と遮光カム40Aの角度との関係を示す線
`図である。
`
`(9)
`
`*
`
`1010
`
`*
`
` 特開平6−267303
`16
`【図28】本発明の他の例として、車間距離測定成功時
`の、車間距離と遮光カム42Aの角度との関係を示す線
`図である。
`【符号の説明】
`18 ヘッドランプ
`20 ヘッドランプ
`22 TVカメラ
`40 アクチュエータ
`42 アクチュエータ
`48 画像処理装置
`50 制御装置
`80 レーダ
`82 アクチュエータ
`100 走行車両検出装置
`
`【図1】
`
`【図2】
`
`【図3】
`
`【図9】
`
`9
`
`
`
`(10)
`
` 特開平6−267303
`
`【図4】
`
`【図8】
`
`【図10】
`
`【図11】
`
`【図12】
`
`【図13】
`
`【図14】
`
`【図15】
`
`10
`
`
`
`(11)
`
` 特開平6−267303
`
`【図5】
`
`【図16】
`
`【図17】
`
`【図18】
`
`【図19】
`
`【図20】
`
`11
`
`
`
`(12)
`
` 特開平6−267303
`
`【図6】
`
`【図21】
`
`【図27】
`
`12
`
`
`
`(13)
`
` 特開平6−267303
`
`【図7】
`
`13
`
`
`
`(14)
`
` 特開平6−267303
`
`【図22】
`
`【図23】
`
`【図24】
`
`【図25】
`
`【図26】
`
`【図28】
`
`14
`
`